第15話 仲間
どうも!沖田です。
前回の新選組鬼副長の話、覚えていますか?
土方歳三さん。彼は新選組の隊の規律を守るために厳しい掟を掲げました
それが「法度」
新選組は江戸のあぶれ浪士の寄せ集め。いわば烏合の衆。ひとたび反乱を許せば隊はバラバラになる
そのため土方さんは厳しい掟を定めたんです。
一. 士道にそむくべからず
ニ.勝手に隊を離れべからず
三.勝手に金策いたしからず
…など、士道にそむく真似をするなといういくつもの掟を定めました
これを破ったものは「切腹」
土方さんは隊の中では恐れられていましたが、すべては新選組を守るため
私は土方さんは素晴らしい方だと思います。立派な武士です。最後は函館の五稜郭で散ってしまわれたけど彼は立派な武士です
…と
思い出話に花を咲かせすぎました
では本編へどうぞ
義経は海の中を漂っていた
海底とはこんなにも暗く光の届かないところなのか?…
ああ体が重い
鎧をつけているのだから当然か
「兄上…何故…」
ここは深海か?
私はどこまで沈んできたのだ
…
?
息ができる
苦しくない
何故だ?
そういえば傷口も痛まない
しかし…
海のこの冷たい心地よさだけは感じる
ひんやりと気持ちのよい冷たい水が義経の体を包んでいた。意識が遠のいていく…
「…経さん…よ…さん…義経さん!」
聞き覚えのある声だ。
目を開くと先ほどまで共に戦っていた仲間がいた
「沖田殿…」
再び意識が遠くなる
ノボルは熟睡した心地よさで思い切り背伸びをした
人間、眠ることほど快感なものはない
「沖田さん…よく見つけられたな。義経さん、大丈夫なのか?」
総司が担いできた義経がノボルの横に横たわっている
「ここはどこだ?」
見覚えのある景色…
「鞍馬寺ですよ。よく眠っていましたね。あれから3日は経ちましたよ」
鞍馬寺…あの地獄の修行をしたところじゃないか
一体なにがどうなってる?
源氏は?平氏は?頼朝?は?
義経はゆっくり起き上がって総司たちに頭を下げた
「このたびは助太刀まことに感謝いたす。おぬしたちのおかげで助かった。礼をいうぞ」
歴史の授業で義経は滅法に強い男だと印象を受けていた
そのとおり強い男だった
しかしあの謎の悪霊によりあきらかに歴史が狂った
久しぶりにノボルは怒りを感じた
「義経さん、傷は大丈夫なのか?沖田さんに手当てしてもらったんだろ?」
「…」
お称さんがやってきた
「牛若…客人じゃ。武蔵坊弁慶と名乗っておる。通すか?」
うなずく義経…しかし表情が暗い
総司も黙っている
「…(二人ともどうしたんだ?葬式のあとのような顔して…)」
しばらくすると弁慶が現れた
あの五条大橋で出会った男だ
デカいな〜
「牛若丸…いや源九郎義経殿…ようやくお会いできました。率直にお頼み申す!私を家来にしてくださらぬか!?お頼み申す!このとおり!」
義経は黙っている
「下がれ…私は死人だ。死人を主人にする必要はない」
…??