第12話 壇ノ浦の戦い
今日も1日精一杯頑張ったー!!
1日1日を大事にしなければ…
今日という日は二度と返ってこない
さて、
第12話、どうぞ
関門海峡…ここは潮の流れが急激に変わる
義経は、この潮の流れを利用して平氏軍を一気に叩くと言う
確かに歴史の授業で習った
「沖田さん。弁慶がいないのはなぜだ?」
ノボルが小声でたずねる
「私たちが弁慶の代わりになってるんじゃないかな。歴史の中に無理やり入っていってるようなものです」
ノボルは違和感を覚えていた
なにかがおかしい
先ほどの平氏軍
やけにわざとらしく撤退したように見える
義経は自信満々だ
次の戦闘で平氏軍は壊滅すると考えている
舟に次々と源氏の兵士たちは乗り込んでいる
因縁の平氏を壊滅させることができるのだから、皆気合いが入っている
「ノボルさん、行きますよ。平氏軍をよく気をつけて見てください。変わった人間がいたら要注意です。」
とはいえノボルは歩くのも辛かった
初めての戦闘で体力気力を使い果たしていた
しかし舟に乗り込んだ
体に鉛をつけているようだ
潮の流れに乗って源氏軍は一気に進軍する
平氏軍の舟が見えてきた
「皆のもの、ぬかりなく!… かかれー!!!!!!」
義経の一声で皆が気合いを入れた
…?
平氏軍の舟に誰もいない
一体どういうことだ?
「…これは罠だ。義経さん!背後です!あの舟は囮です!」
総司は叫んだ
背後から平氏軍が近づいてきた
そんなまさか…
源氏軍は大慌てである
平氏軍の先頭の舟にある人物がいた
「あ 兄上! なぜ!? どうして!?」
義経は青ざめている
平氏軍の先頭で指揮をとっているのは本来の平氏総大将、平宗盛ではない
なんと源氏の総大将であるはずの頼朝だった
平氏軍は一気に攻めてきた
「皆のもの、慌てるな!冷静に敵を討て!」
義経が混乱した源氏の兵士に必死に声をかける
「奴だ。ノボルさん、あの頼朝を生け捕りましょう。」
「そうしたいのは山々だが体が動かない。」
戦闘が始まった
義経は華麗に宙を舞い平氏軍の中に斬り込んでいった
総司も舟から舟へ飛び移り、斬り込んでいった
ノボルは、ぐったり座り込んだ
頼朝は刀を両手に持っている
凄まじい豪剣だ
総司は頼朝の背後に乗り移っている霊の気配を感じた
「(誰だあの霊は…あれが間違いなく目的の悪霊に違いない。待っていろ。私が必ずお前を食い止める)」
源氏軍と平氏軍は激しくぶつかりあっていた
ぐったりしているノボルのもとへ総司が戻ってきた
「私が力を貸します。よく頑張りましたねノボルさん。しっかり私の戦いを感じとって体に染み込ませるのですよ」
総司がノボルの体に入った
久しぶりの同化だ
姿は総司だが、ノボルは意識がハッキリとあった
やはり同化とは不思議な感覚だ
「さあ。いきますよ」
菊一文字則宗を握りしめ、総司は再び平氏軍の渦へ斬り込んでいった
第12話ご愛読ありがとうございました
次作もお楽しみに!