第10話 源氏軍
人には適職と天職がある。
天職は自分が本当にやりたい仕事
そして適職とは天職の仕事をするためにやらなければならない仕事のことだ
働くことで辛い思いもたくさんするが、すべては自分の目的のためである
第10話 お楽しみください
奥州平泉まできてようやく牛若丸に会うことができた。
「私は源九郎義経と名を改めた。今は平氏との戦の真っ最中だ。」
源氏の総大将は源頼朝。
頼朝は義経の兄である
「義経さん。その後、変わったことはありませんか?」
九郎…後鳥羽上皇の屋敷に忍び込んできた男がつぶやいた言葉
「兄の頼朝が突如として消えたのだ。今は代わりに私が源氏の総大将として指揮をとっている。そなたたち、兄に出会わなかったか?」
「いえ、会っていません。義経さん、私たちも源氏の加勢をします。」
体中が痛くてたまらなかったノボルは一瞬痛みを忘れて我が耳を疑った
「まことか。それは助かる。我が軍は明日の明朝、平氏の本陣を奇襲する。そなたたちも同行するがよい」
マジか?
学校の教科書で源平合戦の話は何回も読んだが、まさか自分が参加することになろうとは…
やはりこれは悪い夢だ
そう思いたかった
翌朝、まだ日も昇らぬ暗闇の中、義経率いる源氏軍は平氏の本陣へと向かった
今、平氏は背後に海を回して陣を張っている
崖の上からいっきに襲えばひとたまりもないだろう
ノボルはボロボロになった制服の上から鎧を着ていた
物凄く重くて暑苦しい。
総司は相変わらず新選組の羽織りを着たままだ
「ノボルさん。この刀を。加州清光といいます。使いなさい」
ずっしりと重さが伝わってくる
しかし修行中に使っていた木刀とさほど変わらない
今から戦なんて実感がない
「見えるか?あれが平氏の本陣だ。狙うは総大将、平宗盛の首!」
平氏の本陣が見えた
彼らはこちらに気づいてない
今から戦が始まるのだ
「方々… …
参る!!!! 」
義経の一声で源氏軍がいっきに崖を駆け下りて平氏本陣へ突っ込んでいった
ノボルも総司も馬にまたがり、一緒になって突っ込んでいった
「…(やけに恐い夢だな)」
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