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11.雨の前

この部屋以外にも何かないかと散策したが、

花の本以外には何も出てこなかった。


リチェーコの可愛らしい字が書かれた紙束を読めば見知らぬ名前や、その花の説明が書かれていた。

その紙束と本は先程、書いた本人であるリチェーコが読みながら俺の横を歩いている。


そのあとは特に何も考えずに帰り道を歩いていた。



読書中のリチェーコに話しかけると物や拳が飛んでくる。凄まじい速度で、さらに顔面目掛けて。


だから何も考えずに歩いていた………時だった。

「!」

微かに血の香りが目の前から漂ってくる。

動物が捕食されたのか?それか人に殺された?

それとも、その逆か………………

辺りを見渡すと右手にその匂いの原因がいた。


人間と同じ背丈の魔物が突っ立て死んでいた。一体だけではない、十体以上…大勢の魔物がその場で死骸となっていた。

か、ただの死骸ではない。体の至るところに花屋で売られている高価な花や野道によく咲いている野花など、遠目から見ればこれは巨体な花の山にしか見えないものになっていた。死骸から滴る血は小さな芽が生えている、芽をじっと観察すれば、その血を啜り成長した。

「なんだ…これ」

魔物を捕食する花のように見えるが、魔物を殺してくれるこの花に対して恐怖を覚えてしまう。


「兄貴、こっち来て!」

気がつけばリチェーコは離れた場所にいた。

全ての神経を本へ持っていったのだろうか、彼女は死骸に気がつかず、奥へと進んでしまった。


死骸を観察したい、特にこの花を調べてやりたい。

が、ここは数年前に邪神がいた地…邪神に呪いをかけられたリチェーコを野放しには出来ない…。

「今そっちに向かうよ!!」

俺は彼女の後を追った。


花が魔物を補食し、成長するならそれは、つまり魔物が殺されてから時間はそれほど立っていない。

花自ら魔物を補食したならそれで話は終わりだが、これが人の手によって生まれたのなら、その犯人は

直ぐ近くにいるかもしれない。そうなれば、仮に、仮にそれが邪神なら…リチェーコの身が危うい。




足を進めると血の臭いは消えていき、逆に少し肌寒くなってくる。

「どうしたんだい、リコ!!!」


草を押し退け進むと野花のは花畑があった。




中心には振り替えるらリチェーコと、




透明な墓があった。









「はわぁーイン様の魔力はとてもお美しいですわぁ、惚れ惚れしますぅ」

「へーそうなんだ、なんだか嬉しいなぁ」

「イン様には魔力の糸が見えないんですのー?ほらー今私が糸を出してますよー」




お久しぶりです、私です。


今、ベッドで横たわる私の側にはハナルが針を上に持ちながら私に何かを見せようとしているが、残念ながらま全く見えない。

「うーーーん、ごめん。見えないや」

「あらあら、残念ですわぁ…」

彼女曰く、今私の腕から彼女しか作ることが出来ない魔力の糸を特殊な針で出し、糸を巻いている。この糸で校長の新しい体の組み立てにとても重要な全身の神経を作るらしい。


「ハナルって、なんで通り魔なんてやってたの?」


目に見えないものにうっとりしているハナルに何となく気になっていたことを口に出した。




「え?理由ですか?先ほど言いましたよー、私は美しい魔力を見るのが好きなんですよー」

コトリ 、と針を机の上に置きこちらに微笑みながら腰をくねらせるハナル。


「魔力のために?」

「そうですわ、いつもいつも今のイン様に行っているように人の魔力の糸を使い様々なものを作ってきました。他の人の魔力は濁った川水のような色をして不潔なものばかり、しかし、そんなある日ある人が私の目の前でたまたま手を滑らせて私の仕事用の刃物で切ってしまったのです。その時です、その時に切口から溢れる血と共に濁った魔力が消えかかる時、徐々に美しい魔力の色合いへと変化した場を見てしまったのです。あぁ、それはもう、そこらの石ころが美しい淑女が見にまとえば輝く宝石のようなものでしたわ。」


「そ、それで通り魔を?」

「はい!ですが、イン様の魔力の虜になってしまった私にはあれはもうただの不吉な煙にしか見えませんわ」

熱を持った視線がこちらにやってくるが、私は直ぐ様、後ろに振り向く。

私の魔力のお陰でどうやら、この町の問題が一つ解決したようだ。



よかったよかった。


「そういえば」


ハナルは何かを思い出したように一瞬目を見開き、ゆっくりと作業を再開する。

「隣の国……………確か頭のなかがお花畑の国王がいる、ナルカでしたわ。噂…と言うものなんですが、」

「?何かあったの?」

「確証は無いのですが、なんでもイン様が着々と他の神様を殺しているので、まだ現れていない二神のファルザーリベアンを降臨させようとしている…という噂があるんですよー」


二神……そういえばまだ会っていなかった。まさかまだ現れていないとは思わなかった。


もしも、それが本当なら出来れば降臨される前にソウス君に私を殺して貰いたい………が、何故だろうまだ何か、何か違和感がある。



何かを見落としているような……。


「じゃあ、これが終わったら下見しに行こうかなー」

「えぇ?下見にいかれるのですかぁ?では馬車の準備を………」

「いらないいらない、今日中にパッと行ってパッと帰ってくるから」


「それなら、良いのですが…今日は少し天気が悪いので早めに帰ってきてくださいね?雨に濡れては大変ですから」










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