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8.久しぶりの彼

あーそういえばこの世界に来てから一度も義足のこと考えてなかった、スペア無いのに掃除すらしてない

真っ二つになった義足には少し血がこびりついていたどうやら、カナット君は義足に頭を打ち付けて額を切ってしまったらしい


カナット君はあまりの痛さにわんわん泣いている

メリーちゃんは血だらけのカナット君とぽっきりといった私の義足をみて泣いてしまった

私はこれから義足なしでどうすればいいのかを考えていた、二人の泣き声が聞こえないほど考えていた




気がつくと私たちは仲良くベッドのなかにいた


どうやらノノちゃん、ロリエちゃん、キロ君が買い物から帰ってくると泣き声が玄関まで響いていたらしく泣き声がする方へいくと座ったまま気絶した私と血だらけのカナット君とメリーちゃんが大泣きしていたという








「イーちゃん、遊びに来ましたよ」

「あ、ユー君こんにちは」


あれから数日後にユリウス君がお菓子箱とバラに似た真っ赤な花束を両手に抱えながらやってきました

私はたまたまこの孤児院にあったお古の車椅子に乗りながら洗濯物を干していました、真っ二つの義足は埋葬してあげたかったのですがプラスチック製品は土に溶けないと聞いたことがあるので、箱の中に入れて部屋の隅に置いています

「イーちゃんはい、これイーちゃんにあげます!」

と、ユリウスが両手で抱えていた花束とお菓子を頂きました、あとで皆で食べようかな

「ありがと、きれいなお花だね何て名前?」

「え、えーと、花の名前は知りませんが…花言葉なら、わかりますよ!」

「へー、じゃぁその花言葉、教えてくれるかな?」

彼は頬を赤く染めながら

「あ、あな…たを……あ」

「おい!チビ!!」


後ろから怒鳴り声、振り向かなくても誰かわかります

ムー、この呼び方はソウス君かもう少しましな呼び方はないのかな

「なぁに、ソウ…そうすけ君」

「……カトゥーが呼んでる」


ちゃんとあだ名でよんだ私、とても偉い!あんなことで怒っては年上失格ですからね、ちゃんと年下のお願いは聞き入るのが大人ですからね!


「ありがと、そうすけ君。

じゃぁユー君、私行くね」

「は、はい」

「そうすけ君、ユー君はお客様だから、一緒にいてあげてね」

「なっ……!?」

「じゃぁユー君ゆっくりしていってね」

私は二人に手をヒラヒラとふりながら二人に背中を向けカトゥーさんのところに行きました

年が近い同士いい友達になれると思っていた私とは裏腹に



私の後ろで二人が火花を散らしていたとは知りませんでした









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