7.廃墟
先生の衝撃的な事実を知った次の日のこと、俺と妹は彼が描いた地図を頼りに目的地へと行こうとしていた。
地図には×印が一つ付けられている。そして、俺達は今その×印に着いた。
「兄貴…ここって」
愛しの妹リチェーコは顔色を青くしながら俺に話しかけてくる。
目の前には少し鉄臭く、黒く焦げ付き、隙間からは植物や苔がは生え、建物と呼べるほど、原型あまりしていない廃墟。
「あぁ、カーラント家が運営していた孤児院だった建物だ」
五年前、ここではある出来事が二つ起きた。
一つはここにいたカーラント家の運営者一人と孤児院の子ども全員を大量虐殺されたこと。
二つ目は四神インフェルオヴィンがここで降臨してしまったこと、さらに大量虐殺は四神が起こしたものだ。
「あれ?兄貴あそこだけ、建物が少し残ってる」
「ん?…本当だ」
彼女が指を指す方に目をやると、殆どはドアなど焼け焦げているはずが、そこには、半焼けした半開きのドアがパタパタと揺れて動いていた。
「入ってみようよ」
「待つんだ、リチェーコ。中に誰かいるかも知れないんだ。ここは慎重に…」
「え、やだ」
俺の話を聞く間もなく、彼女はドアを豪快に開けた。
「…リチェ、」
「ここだけ、キレイ…ただホコリが被ってるだけだよ、この部屋」
「燃えてないのか?」
「全然燃えてないよ」
部屋の中をの覗くと、そこはシンプルな一人部屋。
タンスと、机、ベットしかおかれていない。
生活に必要なも物しか置かれていないシンプルさ過ぎる部屋だが、何処か懐かしい感覚がする。
ここには何かがありそうだ…。
そう思った俺は机に視線を向ける。
机の上にはホコリを被ったガラス瓶、中の水は腐り緑色へと変色。中には一輪の花だったものがガラス瓶に枯れ、びったりと貼り付いていた。
次に一つしかない引き出しを開ける。
そこには、「本」があった。
分厚い見た目の本に指がもう少しで触れる、その時だった。
ーー パリッと何かが破れる音がした。
触れようとしていた指を見ると光のは反射により、うっすらと見える透明な柔らかい膜の破片が付着していた。
本の周りをよく見れば、透明な膜が本を覆っていた。
何かの結界だろうか、かなり老化しているように見える。
………きっと、魔力切れだ。
この部屋の主はこの本に守護結界を貼り、何かから守ろうとしていたのだろう。
俺は引き出しから本を取り出した。パリパリッと結界が崩壊する音が聞こえる。
本はかなり上等な代物のようだ。色は黄ばんでいるが、紙質は今まで触ったことの無いほど、紙とは思えないような滑らかな触り心地。
本をペラペラと流し読みするが、謎の文字と、見たことのない植物の絵ばかりだった。…いや、その二つしかなかった。
「ん?兄貴、何かお落としたぞ」
「え?」
本に挟まっていたのだろうか、折り畳まれた数枚の紙が床に散らばっていた。
リチェーコがそれを手に取る。俺も床に散らばっていた中の一枚の紙を手に取る。
興味本意で紙を開いた。
最後の文字は掠れ、よく読めないが小さくその文字を読んだ。
「おはな の ずかん かいどくしょ
さく りちぇーことい……………?」




