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4.花道

書いていたものが突然の更新やクリックミスで全て消えてしまうと、それをもう一度書くやる気が出てこない時ってありませんか?

いつからだろうか。



自分の名前が消えたのは、

自分の存在が消えたのはいつからだったのか。


いつの間に私は私では無くなったのだろうか。






………





「いいですよー」

ハナルさんはすぐにこの依頼を承諾した。が、彼女は頭を横に揺らしながら、両手を広げ、数を数えるように指を1本1本折り畳んでいく。


「でもぉー人形ってとっても時間と手間が掛かるのよねー、それに校長が入るから私の魔力の糸を全てのパーツに繋げても糸が校長に耐えられないのよねぇー、邪神さんの魔力がないと出来ないのよねぇー大きな人形で、どこから見ても人間に見えるくらいにしなきゃいけないしー」



「沢山やらなきゃいけないから、だからねー」


両手をパッと握るハナルさんはこちらを向き、ニコッと微笑みながら、彼女は私たちにお願いをしてきた。









「見たことない花ばっかりだな・・・」

「そうなんだ、へー」

「ここらじゃ見ないけど、御婆様はどこでこの花を見たのですか?」

「えーっと、私の故郷かな?」

「なるほど、御婆様の故郷ではこんなにも色鮮やかで美しく可憐な花が咲いているのですね。

……いいなぁ行ってみたいなぁ」

「へっ」


 帰り道は私が通ってきた跡、花の道に沿って帰宅することになった。


帰りはナリュシュキに車椅子を押して貰いながら帰ることになったが、花道を沿って進んでいると、先ほどからナリュシュキの様子がどこかおかしかった。


 顔をピンクに染めて、前はあんなに大きかった瞳は今ではその半分の半分くらいの大きさの瞳を

きらきら輝かせ、先ほどから眉間にしわに寄っていた顔はトロトロふにゃふにゃに緩んでいた。

彼女のそんな姿とさっきの言葉に私は茫然としてしまったが、今の彼女を見ているとこちらも頬が緩んでしまいそうです。



「言葉使いは野蛮なのに、心は乙女なのですね。とてもかわいらしいですわよ」

背後からクスクスと控えめに笑うハナルさんにナリュシュキのトロトロに緩んだ顔が一気に鋭く眉間にしわを寄せ、顔を赤くして背後に向けて、叫ぶ。

「うるせっぇ!!!」





 はい、彼女のお願いは「居候」でした。

その方が仕事がとてもスムーズに出来るらしいです。


でも、スムーズに作るにしても、大体三年はかかると言っていました。

つまり、居候しなければ、三年以上かかってしまうとのことです。無理ですね。

屋敷の主はナリュシュキとキシュリュナの二人です。彼女の居候について、ナリュシュキは「俺は御婆様が良いなら良いけど、問題はキシュリュナだな。多分あの女の腕一本はいかれそう」と、とても怖いことを言っておりました。


キシュリュナの成長がどうなったのか、ナリュシュキを見た後なのでとても気になります。あんなに愛らしい子が一体どんな風に育ったのか。とても想像できません。


 そういえば、二人は試合で優勝し、その優勝賞品として、あのただ今大掃除中の埃まみれの屋敷と

勤め先、あと家名をもらったらしいです。


それと、コシュリュコアが仕事辞めた。


彼はこれから私の治療に専念したいと、学校に行き、慌ただしい中、辞表を出してなにも言わずに帰ってきた。


彼のせいでまた学校が慌ただしくなっているが彼はそれからは、家から全くて出ないで、引きこもりとなった。



まぁ、それをどうこう言える立場じゃないんですよね。養ってもらってますし…


「そうでしたわ、邪神さん。邪神さん。」

「ばっ!?おまえ、人前で何言ってんだよ!それにお婆様を邪神って言うな!!」

「あら、ほほほっ貴女も今人前で邪神って言いましたわよ!!さらに大声で」

「ぐ、ぐぬぬぬぬ。お前も今大声じゃねぇか!淑女なんだろ!?淑女なのにそんな声出していいのか!なぁ!?」

「はぁ!!?」

ハナルさんが、私に話しかけようとした時、ナリュシュキが彼女が発言したことに突っ込むと、

また、私の後ろで二人の口喧嘩が始まった。


なんか、この二人仲良いな。





などと、呆けている場合ではない。


二人の口喧嘩がどんどんエスカレートしていく、大声で激しく、勿論ハナルさんもいつもの淑女さは消え、二人とも同じ人間に見えてくるほどに。


「えっと、ハナルさん!

私に何か聞きたいのでは…?」


周りの人が、チラチラとこちらを見ている。


これ以上放置すれば、注目の的になってしまう。


そうなれば、私と新しい勤め先でお世話になっているナリュシュキが少しヤバい立場になってしまう。


なので、私は二人の間に顔を出し、小さな声でハナルさんに話しかけた。

「だか…あら、そうでしたわ。おほほほっ私ったら、この野蛮人の挑発にのってしまったわ」


「誰が野蛮人だ!」

「邪神さんの、お名前をお聞きしたいの。依頼人の名前をずっと邪神さんと言うのは嫌ですわ、可愛い貴女のお名前で、貴女を呼びたいんです」


彼女は両手で耳を塞ぐ仕草をし、ナリュシュキの言葉が聞こえてないと言っているような表情で話しかける。


一瞬、何の事かと呆然としてしまったが、私は彼女に名乗り出ることを忘れていたことを思い出した。


「あ!そっか、私自己紹介していなかったね!!

ごめんね、じゃあ改めて自己紹介するね」


ゴホンと一つ咳をして、私は自分の名前を言った。



「私の名前はインフェルオヴィンっていうの、これからよろしくね!ハナルさん」


私は自分の名前を言った。



自分の名前を…



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