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42.かなり昔のこと


かなり昔のことだ。


……いや、かなりでは物足りないくらい昔のことです。



私達がこの世界に生まれて数十年たったころでした、私の他に四人の邪神がいました。その邪神たちのうち三人が一人の邪神によって三人共に殺された時でした。

邪神はどうしても他の邪神を見ると殺したくなるように仕組まれているらしく、お互いの目と目が合えばそこから殺し合いが始まるようになっています。


そして、私はその一人に腹を立てたのです。何故腹を立てたのか……それは、私は四人よりも強い存在。特別の邪神なのです、他の四人は平等に生まれたはずなのに何故一人が三人を殺した。四人は平等なはずなのに…たったそれだけのことで、私は腹を立てました。


四人で馬鹿みたいに殺し合えば良い…その殺し合いを上から笑いながら私は見下ろしたい。なのに、何故一人だけが生きている?お前も死ねよ、そして永遠に殺し合いをすれば良いのに、何故何故何故お前はまだ死んでいない?唯一の存在は私だけでいいのに…何故?


なので私はそいつに会いに行きました。

そいつは藍色の髪を持つ女の姿をした邪神、あまり堂々と禍々しい邪神とした雰囲気がしない貧弱そうな女でした。


「ねぇ、私と戦いなさい」


私は邪神に言いました。邪神は目をパチパチさせると首を横に振ると私に向けて笑う。

ーこんにちはアンジャベルさん、今日もその黄色の髪が綺麗ですね。

「戦いなさい、本気で戦いなさい」

ー何故?

「唯一の存在は私だけで十分、貴女のような虫けらが生きていて良いわけがない」

ーひどい…

「ふん、貴女の存在は虫と同じなのよ!」

ー私と虫を一緒にするなんて、虫が可哀想だわ


「は?」

なんなの、この邪神は…虫より己の方が惨めだと言いたいの?ば、ばかばかしい……。

「いいから本気で戦いなさい、私は思い上がった相手を歯が立たないほどの力の差でねじ伏せてやりたいのよ」

ー本気…つまり、神器を核に刺せと?

「ええ、そうよ」

ーそれは出来ません。

貧弱そうな邪神の声とは思えないくらいの決意の意志がある重い声が邪神の声から出た。

ーそれは、死んでもやりません。

「は、はぁ?なんでよ?」

ー気味が悪いのです、あれは……









ただの邪の塊…あんなものになれば、私は邪神…人の世界から外れた存在になるかもしれないのですから。





そう言うと、あいつはいつも逃げる。それからずっとあいつは死ぬまでずっとずっと他の邪神を殺し続けたのだった。







ペチャ…ペチャ……


2体目のインフェルオヴィンは己の核に神器を刺した。そこから全く動かないが、核からは赤い液体が流れ地面に赤い水溜まりを作っていく。

最初のインフェルオヴィンは隙を全く見せなく気が付いたら死んでいた、勝手に死んでいた。


だから……ここで、インフェルオヴィンを殺せる。


本気のインフェルオヴィンを殺せるんだ。



これで、私は唯一の存在になれる。全ての存在を上から見下せる!!


「ん……」

影の隙間から、影に隠れている人間の核を見つける。直ぐ様その核の元へ行き、核を優しく握る。

核はデリケートだ。強く握れば潰れる、潰れてしまえば食えない。


「うまいかなぁ……」

先ほどからハズレばかり引いていたが、この核は美味なる香りが漂う。



「当たりかしら」

ゆっくりと口を開ける、そして……。



私の両足が消えた。

突然の出来事だった、突然私の両足が消えたのだ。



「!?」

そして、私は音を立てながら地面に(ひざまず)き、手に持っていた人間の核は手から離れ地面に転がって行く。

「私を跪かせるなんて、なにを……」


インフェルオヴィンの癖に……なんてことを!!

本物は少し遊んでから殺すつもりだったのだけれど

…こうなったら、忌々しいインフェルオヴィン。直ぐに私が絶望色に染めて差し上げましょう。


そう重いながらインフェルオヴィンの方を向いた。



向いてしまったのだ。



「…!?」

そこには巨大な骨があった。

ただの骨ではなく、一つ一つの骨が繋がった骨の化け物がそこにいた。

頭はドラゴンのような骨格、鋭い牙。長い骨の首。何かを握っている鋭く太い爪を持つ手。巨大な翼。四つの首の長い骨の化け物が尾から生えていた。

そして、巨大な翼は骨と骨がぶつかり合う音を出しながら、背の上に畳む。それは鳥が羽をしまうように…しかしその翼は毛一つ生えておらず、ただ背を守る盾のようになっていた。


ゆらゆらと鋭い目からどす黒く微かに白が混じった黒い炎のようなものが頭の骨格の中が浮かんでいた。



ケタケタと笑う、骨とかしたインフェルオヴィンは握った両手を広げる。



「……くそっ!」

そこには、私の両足の影があった。



私たちは何処を失っても再生するが影を盗られてしまえば、それは再生することはない。

影を盗られてしまえば、その影の部分は無くなる。

そこに存在するが、まるで最初から無かったかのように無くなってしまうのだ。


影を奪われた足は失ってもいないだから再生しない、インフェルオヴィンが私の足を持っている限り。



「貴様!!私の高貴な体を離せ!汚らわしいその手を退けよ!!さもなければ……」




ケタケタと不気味な笑い声に聞こえる骨と骨がぶつかり合う音。


あのインフェルオヴィンとは全く似てもにつかないこの化け物。


私は己の神器を呼び寄せる、すると神器は私の手元にやってくる。

そして、私も己の核に神器を刺した。





「さぁ……どっちが唯一の存在になれるか勝負だ、気味の悪い化け物…いや、インフェルオヴィン」






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