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40.弱々しい希望の光



一体何が起こったのだろうか……


暗く、狭い部屋のようは空間


「いやぁぁぁ!!やめてっお願いだから!!」

子どもたちの悲鳴が嫌と言うほど耳に伝わってくる

、助けたい…そう手を伸ばそうとするが暗いこの空間の中、壁のようなものが私と子どもたちの行く手を阻む



壁を叩く、叩く、叩く……


手が痛い、でもそんなことに気を散らす暇はない

「出して!出してぇぇぇぇぇ!!」

腹が痛い…熱い……ドロドロとなにかが流れているがそんなことに気を散らす暇はない


<いやだぁ!ママァァ!!>

<痛い痛い痛い痛い痛い!!>

<うわぁぁぁぁぁ!?>

<お母さん!助けてよお母さん!!>


「……っ!!」

私を呼ぶ声、私に助けを呼ぶ声

彼らの声を聞こえた途端、壁を叩くスピードと勢いが上がった


早く…早く……早く!この壁を壊さないと!!

「あああぁあぁあああぁぁ!!!」

ボロボロと目から何かが流れる

ドボドボと腹から何かが流れる


「壊れろ!!壊れろ!!ごわぁれろぉ!!!」


子どもたちの悲鳴がまたひとつ、さらにひとつ消えて行く


<お母さん!!>

<お、お母様!>

<かぁ……>


グチャ……


「あ」

また、一人の悲惨が消えた

暗く何も見えないはずなのに、頭の中には子ども一人が消えた映像が声と共に流れる

「いやぁぁぁぁ!!やめてもう、やめてぇ!」


「……おぃ」


「おねがい…おねがいだからぁ……!!」

「お……い……」

何もかもボロボロになりながら私は叩き続けた

暗い暗い狭い空間、何も出来ないでただ子どもたちの悲鳴を聞き続けるなんて出来ない


一体何が起こったの?

もう、校長先生に勝ったのに…子どもたちを守ることが出来たはずなのに、なんで?なんでなの?

な……な、なんで………

「な、なんでなのよぉぉぁ!!」

「おい!!!」

後ろから怒鳴り声が聞こえた

反射的に後ろを振り向こうとするが、体は何故か動かず頭だけしか後ろを振り向くことしか出来なかった




ゴンッッ!!


鈍く深い音が耳響き渡るが、それよりもおでこの痛みが体中に伝わっていた

「いったぁぁ…」

何か固いものをおでこにぶつけられそのまま床に倒れるかと思ったが、何故か倒れる途中で体が傾かなくなった

「いてぇのはこっちもだ…くっそぉ」

痛いおでこを両手で撫でながら前を見上げるとそこには暗い空間のはずなのに何故かうっすらと光るボロボロの校長先生がおでこを両手で包んでいた

「校長先生…な、なにするんですか……」

「うるせぇ…ガキのことばっかり気にしすぎなんだよ……少しは自分の状況が見えるくらい頭が冷えたか?」


「あ…」

よく見ると校長先生の口からドボドボと血が出ている、よく見ると彼の腹には何かが刺さっている

体を捻りながら見ているため詳しくは見えないが、それは私の腹にも刺さっていた

彼と私が刺さっている物は同じもの、二人同時に串刺しにされている

「え…なにこれ、痛い……」

じわじわと痛みの感覚が襲いかかる

己の体を見れば己の血で赤く染めていた


「お前が暴れ体力を消耗させ、そして弱ったお前とさらに弱った俺を殺すのがあいつの目的…」

「あいつ……?」

先ほどの怒鳴り声とは全く違う弱々しい声を放つ校長先生の光が薄れていく…

その光が彼の命の灯火のように思えてしまった

「いいか、よく聞け……」


弱々しい声で私に話しかける彼の瞳から強い意思が強い迫力が私の首を頷かせる

「…俺たちに刺さっているこれはあいつの神器、俺たちにはこれを破壊することも出来ない……きっとこの神器の先はこの空間の外だ…つまり、このまま二人仲良く串刺しにされるしかない」

「で、でも、空間を破壊すれば……!」

「この空間はあいつお手製の氷の攻撃を全て吸収する術が込められているさらに、この暗さでは闇特有の影の攻撃は出来ない光がなければ影は作られない……つまりお前専用の檻ってことだな」

「そんな……」


ここから出られない、ずっとここで子どもの悲鳴を聞くことしかできない……助けられないなんて


母親失格だ…助けなちゃ行けないときに助けられないなんて

「そこでだ」


彼は両手でなにかを包み込むように構え、それを私に差し出す何かとその手の中を覗くと小さな小さな光がそこにあった


「俺を吸収しろ」

「!」




「はっなんだよ別に食えも殺せともいっていないではないか…それに今の俺はこのくらいの光くらいしか造れないしかし、光があればお前は動ける……そして俺を食えばお前にも光の力を司ることができる…そうすればこの空間を壊せる」

「そ、そんなの今私が壁を壊せば……!」

「壊したところで俺が足手まといになるだけだ!!…………頼む」


どんなにボロボロでどんなに弱々しい声でもどんなに小さな光でも、彼の瞳の強い意思と迫力は消えなかった



「俺を一口で飲み込め、そうすれば俺は食われずお前に吸収される……俺は死なない…お前の中で生き続ける、お前が死なない限り……だから」


次の言葉を出そうと口を開くしかし彼はすぐに口を閉じる何かを考えているのだろう、少しの間が沈黙に変わる……そして彼は口を開く


「こんなことを言うのは変だが、俺の生徒たちを守ってくれないか……大切な大切な俺の生徒たちなんだよ…このままあいつを放置しておけば俺の学園……いや、俺の生徒たちが危ないんだ!!」


「……」

彼は酷い人かと思っていた


私の子どもたちを侮辱するし、コシュリュコアを危険に曝したさらにはタゥロくんにも……


男子生徒を拐ったりして酷い人…でも




「噛まないように、気を付けます……」


弱々しい光からいつもの子…大蛇を呼び出す

大きなお口を持つこの子なら彼を一口でいけるだろう





彼の瞳を見てるとそうは思えなくなってしまいましただって、今の彼の瞳はキラキラと輝いてとっても、眩しかったから




ダメだなぁ、私って……


すぐに流されちゃう




ゴクリッ……


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