表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
68/92

38.やっちゃえ

ーーガンッッ!!


左足を思いっきり床に叩きつけると床のひび割れが悪化していくがお構い無しにそのまま踏み込みを入れる。


子どもがいるほうへと走るかと思いきや男の体へ飛び蹴りを喰らわせ、男は一瞬の出来事に呆然としながら床へと倒れ落ちた

「いてて…」

男に飛び蹴りを喰らわせた女の方は、男が立っていた場所に右足の影を使いゆっくりと着地をする


「ねぇ訂正してよ?」

女は先ほどと同じ優しい声のトーンで男に話しかけるが顔は全く声とは似ても似つかないほどの変貌を遂げていた

「誰が私の子どもを殺して良いって?」

ゆっくり頭を抱えながら起き上がる男の周囲には無数の槍の形をした影が男に向けて刃先を向けていた


「これは、これは…母親はこわいですねぇ」


冷や汗を一滴垂らしながら男は床に手を付けた

そして、男の魔法により女の足場を崩し、隙を突くはずだった……しかし、床は揺れることも割れることも、ヒビが入ることもなかった


「なっ……!?」

不思議と不安感に襲われた男は恐る恐る床を見てみると、そこには影があった

そこだけではない影は部屋全体に張り巡らされていた、床だけではない壁もドアも窓も天井も全てを影によって埋め尽くされていたのだった


地を自由自在に操れるが、闇に埋め尽くされた地は操れることはできない

「くそっ…!」


しかし埋め尽くされれば部屋は真っ暗になるが、己は光を司る神…光ひとつない世界でも己だけが光輝いているのだ


地がなくても、光はある……


そのお陰で女の姿も視界に入れることも出来る

光の魔法は光ひとつなければ仕様することはできないが、闇の魔法より遥かに優れた魔法

己が光輝いているお陰で光の魔法を使用することだって出来る


「ねぇ?どうしてなの?」

女はゆっくりと男に近付くと槍も徐々に近付く

「どこが汚いの?」

女に見えないように小さな光を作り、射程距離まで女がくればその小さな光を撃ち込む、ダメージはあまり無いが多少の目眩ましにはなる


そして、その間に張り巡らされていた闇を光で焼き消せばよい…………そのあとは…



男はニヤリと頬を緩ませる

女が男の射程距離までもうすぐまできていた


さぁはやく……はやく…


この女は人を傷つけることができないことはわかっている、ここに突然現れたときからこの女の瞳はキラキラと輝いた子どもをただ守るだけの殺しもしていない純粋な母親の瞳だった。今すぐ撃てば良いのに何故か撃たない、さらにはよく槍を見ると床に矢先を向けている



……しかし、こいつら一体どこから現れたんだ?



この校長室に突如現れた女と影の子ども



そして…


「…っ!」


そう男が考えている間に女は射程距離に入っていた


男が光を女に向けて撃とうとした時だった

「ねぇ謝って」

「謝って」

「可哀想…」

「だから」

「謝って」

突然女が四方からどんどん現れたのだ

「……は!?」

突然の出来事に瞼を閉じると先ほどまで前にいた女はその女たちの中に入ってしまい見失ってしまった男はただ、増えていく女たちを見つめることしか出来なかった

「謝ってくれない……」

「やっぱり、」

「痛い目」

「みせ」

「ないと……だめ、だね?」


女たちが一斉に男へ向けて指を指す……そして、




「やっちゃえ……」





無数の闇の槍は四方から男を貫いたのだった




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ