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32.五年で変わること

「はっ!!」


フェルルさんとお話をしていた風景は気が付くと一変し、いつもの保健室で私はそのままの姿で椅子に座っていた


……そのまま?



「え?」

コシュリュコアの藍色の髪ではなく黒く濁った緑の髪、子どもたちから頂いた洋服が私の視界に入る


おかしい、確かに私はコシュリュコアの中に入ったはず……なのに何故今私はそのままの姿でいるの?

〈あ!母さんだ〉

〈久しぶりだねお母さん〉

〈会いたかったよーお母さん!〉

〈ママだ!全然かわってないね〉

〈母ちゃんだー!!〉

私が頭を抱えて込んでいると影からいつもの子どもたちの元気な声が聞こえたが、その声は全く少女少年の声ではなく大人びた声だった


「わぁ……」

後ろを振り向くとそこにはあんなに小さかったはずの子どもたちは今、大きく立派に成長していた

「大きくなったね」

本当に五年もたってしまったんだ……

子どもたちの成長する姿をちゃんと見ていたかった悲しさと成長した子どもたちの姿を見れた嬉しさに瞳からこぼれ落ちた涙が頬を通る


その涙を目隠しとして使っているバンダナの面を左耳の方に移動させ、手で擦っていると




「コシュリュコア先生!失礼します」


金髪の顔立ちの良い青年生徒一人が保健室の中に入るときっちりとした綺麗な一礼をして私の元へやってきました

驚いた私は急いでバンダナを元の場所に戻して、瞳が見えないようにしました

「あれ?貴女は誰ですか?」

「えっ……と」

コシュリュコアの代わりに私の姿を見つけた その青年生徒は頭を少し傾けながら私をじっと見つめる


「え……と、コシュリュコアの知り合いです…」

私がそう答えると青年は眉間にシワを寄せていたがすぐにパッと表情を明るくし、クスクスと笑う

「どうかしましたか?」

恐る恐る聞いてみると青年は首を横に振りながら

「何でもありません!ただ先生にお知り合いがいたことに驚いただけですから」


そう言いながら青年は笑いを堪えていた






「実は俺、あと一週間したら卒業するので先生に今までお世話になったお礼として贈り物を持ってきたんですが……何処にいるかご存知ですか?」

「さぁ……何処にいったのか私はわからないわ」

「そうですか、わかりました……ではここに置いておくので先生が来たら伝えておいて下さい」

「うん、まかせて!」

青年は贈り物の箱をコシュリュコアの机の上に置くと一礼し、そして何処かへ行ってしまいました


良いねーキチンと礼をしてまるで紳士みたいでカッコいいねー


私は青年の姿が見えなくなるまで手を振っていると五年で美女になったカーリーが私の肩を両手で掴み私を揺らしました

「えっえ、カー……リー??ちょ、よ…う」

<お母さん!私、彼のことが好きなの!>

カーリーはリンゴのような真っ赤な顔で私に告白をしてきました

「お、おめ、で…とう」

<だから!今から告白をしようと思うから、お母さん彼に手紙を渡してきてよ!!>

彼女はそういうと肩から手を離し、私に可愛らしいピンクの封筒を私に差し出してきました

「自分で出さないの?」

「え……それは恥ずかしいから…」


…乙女ですね


<ちゃんと彼のために私、告白の贈り物を作ったの!でも告白しようと五年前から思ってたけど、どうしても勇気がなくて…気が付いたらもう五年も立ってるし…彼はもうすぐここを卒業しちゃうから…>


赤く染めながらポロポロと私のときとは違う涙を流さすカーリー、うーん…そんなお願いされたらもう断れないよぉ


「うんうん…私恋なんてしたことないからわからないけど、わかった!私がちゃんと届けてあげる!」


<やったー!お母さんありがとう!!>

義理でも、娘が喜んでくれるなら母親は何でもやって出来ちゃうからね!



「コシュリュコア…色々とありがとう」


私はコシュリュコアの体から離脱する。

そして、疲れているのかスヤスヤとぐっすり眠っている彼を影を使いベッドで寝かせた。

「ん?」

チカッと彼の胸元から何かが光った

それを手に取ると手に収まるくらいの羅針盤がそこにあった

<それ、犯人探しに使ってたやつ>

<持っていけば?>

<そそ、もっていこうよ>

「ええ…でもこれ、コシュリュコアのものだよ」

<じゃあ私がもってるー!>

<ノノちゃんと持ってろよ、借りるんだからな>



五年立っても子どもたちは私の言うことを聞いてくれません…





影で足を作り先程の青年のあとを急いで追いかける

走っていると廊下にいる沢山の生徒たちが私のことをチラチラ見てきて恥ずかしかった

「あれ?先程の青年と何処で会ったの?」

<え?お母さんも会ってるじゃん>

<そうだよ、母ちゃん忘れた?>

<かわいそー>

<お兄ちゃん(コシュリュコア)より早く会ってたのに>


えっと、誰だ…?

あんなカッコいいな生徒と何処で…

<ママ…>

<タゥロだよ>

<そそタゥロくーん>



走りながら会話をしていた私はピタッと足を止める






「え!?あのタゥロくん!!?」


生意気だったタゥロくんは五年でイケメン紳士となっていた。


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