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31.準備


「……書けた?」


変な生徒とよくわかない会話を終えた俺はのんびりゆっくりと保健室に戻った


俺が保健室に入り子どもたちに一声かけると彼らは机の上に俺のお菓子の残骸を撒き散らしながら急いでお菓子を口に含もうとしていた

……食いやがったし


〈!?……お、おかえり〉

〈お…そ…かったね!〉

〈書けたよ、書けたから、まじで!!〉

〈おいひぃ……〉

〈こらロリエ早く食べちゃいなよ!〉

〈カーリーそのお菓子ちょーだい〉


口の周りをベタベタに汚したサガ

机の上に散らばったお菓子の残骸をちまちまと食べているメトル

指先を舐めるカナット

汚れた手で石に何かを急いで書き始めるノノ

まだ食べているロリエ

それを注意するが口周りに色々付いているカーリー

見つからないように影でまだ食べているメリー

俺の机の引き出しから他のお菓子を探すジャファー

お菓子のゴミをゴミ箱に捨てるキロ





「お前ら…床に座れ」










「ほら、お前らが書いた石を出せ…ジャファー足を崩すな…」

〈足がいてぇ…あれ?なんでにーちゃん俺の名前知ってんの?〉

あれから子どもたちに膝を揃えて畳んだ座り方で床に座らせている


いいか、お菓子の恨みは怖いんだぞ…


「ん?いや、何故か知っていた…多分俺のなかにお前らの母さんがいるからじゃないか?」

確かあの方は俺のなかに入ってからキシュリュナとナリュシュキの名前、顔を間違えずわかったようだったし…

〈ふーん不思議だなぁ…あ、はいこれ〉

〈私もー〉

〈綺麗にかけたよ!〉

〈たくさんかいた!!〉

〈ねえ、おにーさん…〉

「ん?」


座ったままの彼らから石を回収しているとノノが何かを思い付いたらしく頬を緩ませていた

〈これで、杖が出来るんでしょ!じゃあこれを日頃の感謝の気持ちとしてママのプレゼントとしてあげようよ!〉

〈いいね!ただ渡すのはあれだし、こう…ババーンと驚かせようぜ!ビックリさせたほうが良いぜ!〉

〈さんせー!〉

〈おにーさん早く作ってよ〉

〈はーやーく!〉

〈はーやーーく!〉


「は…はぁ」


先程まで足の痛みで喚いていた子どもたちだったが今はあの方を喜ばせようと案を出し合い、頬を赤く染め、俺に早く杖を作れと叫ぶ


…彼らにもう足の痛みは無いようだ


〈はーやーく!はーやーく!〉

〈つくってー〉

〈ぶーぶー!〉

「わかった…今から作るから…静かにしろ」

本当は家で作りたかったが彼らがこうも急がせるためここで作ることになった


材料は木材と石、それに魔方陣だけでできる

しかし…杖を解体するとはあの方もよくやったものだなぁ

杖は解体するのは安易だが、もう一度作り直すには高度な技と精密な魔方陣が必要不可欠

あの方はそれを用意していたのだろうか…?


まさか、そんなことも知らずに適当な人に杖を渡して解体されたとかそんな訳はないと思うが…


…カラン


「ん?」



準備をしていると魔法石一つが床に転げ落ちた

それを拾うとそこに書かれていた文字が俺の視界に入る


恐る恐る読んでみると…




「あ…」



他の魔法石にかかれている文字も読む




これはこれは……



後ろを振り向くと血も繋がっていないはずの母親を喜ばせようとまだ話し合いをしている子どもたちの笑い声





…ちゃんとあの方に受け取って欲しいものだな…


小さく音をたてながら机の上に魔法石を置く






「先生、失礼します」

ドアが開く音と共に最近よく聞くあの声が聞こえる


…あぁもう、そんな時間が……早いなぁ



ゆっくりと後ろを振り向く

ただそこに立つ彼には子どもたちのうるさい騒ぎ声は聞こえていないようだ





「やぁ少年…早速だが君の夢を教えてくれ」




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