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25.彼女は明るい人

「だから、イオンさん…あなたには辛い役目だけど…世界のためにあなたの大切な人のために他の邪神を殺してほしいの…」


大切な人のためか…まあ、元からそのつもりだったから別に辛くないんだけどね


そう思うと不思議と何も感じなくてってしまった

ただボーッとそこに座っているだけの私はなんとなくフェルルさんに問いかける

「フェルルさんは何故死んだのですか?」

彼女は少し驚いたように目を大きく見開いたあと

クスクスと笑いだす

「ふふっ…そうよね、やっぱり気になるわよね

私は旦那と共に心中をしたの…邪神を全員殺したあと、少し家族と暮らして孫をみたら死のうと考えててね…孫が大きくなったから私一人だけで死のうと思ってたのに旦那も一緒に死ぬって言い出してね」


「は…はぁ…」

「それで二人で心中したんだけど、実は心中してるときに一人取り逃がしてることに気がついちゃったのよー」


自分の死に話なのに彼女は恋話をしているかのように頬を染めていた


そうすけくん、大丈夫かな…

私をちゃんと殺せるくらい強くなれるのかな

そしたら、そうすけくん世界のヒーローになれるし

私との約束だって守れる…


私が死ねばいい話


そう、死ねばいい…



なのに…なんでかな?



「あら、イオンさん大丈夫?」


気が付くとフェルルさんが心配そうな顔で私を見つめていた

「…あなた、泣いてるわよ」

「え?」

自分の頬を触れてみると何かで濡れていた

私が瞬きをすると、またその何かが頬を濡らす


私は泣いていた


「ごめんなさい…あなたに辛い役目を負わせてしまって…本当に」


彼女は謝罪をしてくる…でも、私の耳には入ってこなかった




私は一体何で泣いているのだろう…?


辛いことなんて何もないのに








「さて、残念だけど…もうそろそろお別れの時間だわ」

フェルルさんは懐から銀時計を取り出し、時間を確認する

「あなたにはまだまだ教えたいことがあったけど

時間が無いから重要なことを教えます」

「…はい」




「まず、邪神の中にはとんでもないくらいの邪を持った者もいます、そいつは絶対に食べたらだめ!食べたら大変なことになるわ。あとあと絶対に神器を心臓に刺しちゃダメダメ!!体が大変になるから絶対にダメだからね!」


「それで、最後に…あなたには幸せになってほしいのだから……あなたに合った素敵な人を見つけてくださいね」


フェルルさんは私の頭を撫でながら、自分の子どもに言い聞かせるような声で私に言う


「…見つかるかはわかりませんが、ところで今あちらはどのくらい時間が経過しているのですか?」

素敵な人はどうせ私は死ぬ運命なのだから、諦めている、それよりも私は今の時間を聞いてみた


十分か五分かな…それとも実は一秒かな??

「五年ですわ」


「は?」


え?今…五年って聞こえたけど、聞き間違えだよね

………うん…うん!!聞き間違え!






「ぴったり、五年ですわ!

ではイオンちゃんごきげんよう!」


彼女はニッコリと笑いながら手を振る







「え?………えぇ!!??」







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