表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
51/92

21.まだまだお子ちゃま


「ソ、ソウス君!?」

「うるせぇな…耳元で叫ぶな」


あるえええ!!?なんで!?

というかここ教室じゃなくて保健室だー!


「えっえー!?ソウス君がなんでわ…俺を運んでるの?ってソウス君、傷だら……いてっ」

何があったのか全く理解出来なかった私を担いでいたソウス君は私を床に落とした


「うるせぇんだよ!!」

「ひぃ」

叫ぶソウス君が怖い……怖いよぉ

「たく、せっかく保健室まで運んでやったのにお礼の一つも無いのかよ」

「え、あ…ありがと」

「ふん」


私がお礼を言うとソウス君はすぐに両手を組み、そっぽを向いた

「ところで、その傷は……」


と同時に鐘の音が三回鳴り響く

この学園では鐘の音はチャイムとして技能している


二回は授業開始、授業終了

三回はお昼休み開始、お昼休み終了

四回は登校と下校


……あれ?


「ねぇ、魔法石の作り方の授業は?」

「は?今ちょうど終わったろ、大体あんたが俺にケンカ吹っ掛けてきたからーーー」


ソウス君は何かを話している

でも耳に入ってこなかった

周囲を見渡す、杖がない、木材も石も

わ、わたしの…楽しみの時間…一度でも良いから錬金術のようなことをしてみたかったのに……

じんわりと涙腺が(ゆる)んでいく





あっでも、もう一度先生にお願いすればやり方くらい教えてくれるよね

……ならいいや!ネガティブは駄目駄目ポジティブにそうポジティブにいかなきゃねー!


「じゃあ、授業が終わったからお昼休みだね!

ソウス君はお昼休みご飯は食堂?それともお弁当かな?お弁当ならここで食べよう!」

部屋の隅に置いていた生徒用の机と椅子をソウス君の前に運んでいく私に彼は呆れたようにため息をはく

「…食堂だけど、なんなのお前は?性格つーか、テンションがおかしい」


「あ……」

そうだったよ、今私コシュリュコアだった……

ソウス君と久しぶりにお話をするからついつい盛り上がってしまった

羞恥心で頬を赤く染めていると突然ドアが思いっきり開き三人の男子生徒が中に入ってきた


「先生!今日こそ勝ってやるからな!!」

「そだそだ!」

「先生、俺と戦って!」

三人の男子生徒たちは私の近くまでやってくると我よ我よと言わんばかりに手をあげる

…あ、そういえばお昼休みだったね忘れてた


彼らは一年前に迷子になった私がたまたま通りかかった練習場で試合をした男子生徒一人とその試合を見て私と戦ってみたいと申してきた二人

あの日から毎日のようにお昼休みなるとやってくる

なお、まだ負けてません



「わかった…どこでやる?」

いつものテンション、いつもの声のトーンで彼らに質問をする

「ふふーん、中央広場でやろう!今度は先生の無様な姿を皆に晒してやるからな」

「おれもおれも!」

「ぼくだって、今度こそ先生の氷を溶かしてやるんだから!!」


……元気だなぁ

「わかった、えっと……タタロウ君?ニース君?

あと…モモタロ君??」

「ちげーよ!俺はタゥロだ!! 」

「俺もちがう!俺はウォルターだ!」

「僕はニースだ…あ、ちがうか合ってたわ」

タタロウ君ことタゥロ君はソウス君より髪の跳ねは少ない金髪の舞踏会などにいそうな美男子君

モモタロ君ことウォルター君は濃い赤髪で髪型は刈り上げっていうのかな?そんな感じで運動している姿が似合いそうなスポーツマンみたいな感じの生徒

ニース君は薄黄色のふわふわと柔らかそうな髪を持つ優しそうな生徒

「先生いくよー!」

「早くいこう!」

「時間なくなるよぉ…」

「…はい、はい」





「そうだ」

三人と一緒に中央広場に向かおうとした時、ぽつんとそこに立っていたソウス君に話しかける

「ソウス君も、遊ぶ?それとも見学?」

「なんだ?このチビは」

「新入生じゃない?」

「お子ちゃまには俺らの戦いは刺激的だからな!

大人しく先生の今日のおやつでも食べてな」

タゥロの言葉に私は反射的に彼の方を見つめる


…え、やめてよ今日の楽しみなんだから

いや…待って、どうしておやつのことを知っているの!?バレないようにこそこそ食べてたのに


「……く」

「ん?」

ボソボソと何かを呟いたソウス君

もう一度ソウス君の方を見てみると眉間にシワを思いっきり寄せた彼がズカズカと私たちを通り越していく

「俺も行く!!ぜってー見てやる!戦ってやる!」

「…ソウス君、君今…ケガして」

「うるせぇ!!おら、いくぞ!」


三人の生徒と顔をお互いに合わせ、四人で足音を立てながら歩くソウス君の後ろ姿を見詰める

「子供だな」

「お子ちゃまだね」

「ガキだな」

「…ソウス君、挑発すぐに乗らないでよぉ」










評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ