20.球体
うーうー……どうしましょ
突然彼の部屋にいるし、しかも出れないし
今彼の体ってどうなっているのだろうか…
バタンと倒れて寝ているのかな?それなら別に良いんだけど…
「……」
私の目の前に存在する濁った白い球体をジッと見つめる
これが何かはわからないけど、もしも今彼の体がこれのせいで暴れたり乗っ取られたりしたら…
「や、やばい…」
彼はナシキとキシナにとって必要不可欠な存在
更に二人の唯一の兄
職を失うのもやばいけど、命を落とされたら大変
「なんとかしなきゃ」
なんとかしてこの球体を破壊しなくては…
「ハァハァ…硬いよぉ」
あれから何度も何度も私の神器で破壊を試みたが傷すら付かず壊れる気配がなかった
「あ、魔法でいけるかな」
物理攻撃がダメなら魔法攻撃でいけるかも
しれない!!
そう思った私は神器をしまい、球体に向けて両手を翳す
水よ、出ろー!
そう心の中で唱えると手のひらから勢い良く水が噴出し球体にかかるが球体はびくともしなかった
……土や火みたいなものかと思って水をかけたけど全く効果ないなぁ
「な、なら!これでどうだー!」
水に濡れた球体に向けて今度は氷で出来た氷柱をぶつけると水がみるみるうちに凍っていく
そして一分もかからないうちに球体は氷漬けとなった
「これなら!」
氷で出来た剣を両手で構え、そのまま氷漬けされた球体に向けて剣を降り下ろすこれで氷と共に砕け散ると思ったが……
「えぇー……」
球体を包み込んでいた氷だけ砕け散り、包み込んでいた球体は全く無傷のままその場に浮いていた
……え、どうすればいいの
物理も魔法もダメ…そしてこの球体を作った犯人すらわからない
あれ?
「そもそも、私犯人探し忘れてた」
この一年間なにをしていた…
ただボーッとして、昼寝して、ご飯食べてただけだ
犯人について何一つ調べていないし、そもそも出勤と帰宅以外に保健室から全く出ていない
えっと…えっと…
「うわぁあぁん!私の馬鹿ぁぁ!!」
馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿ぁ!!なにしてるの私ってば!
全然探してないじゃん!
八つ当たりをするように右足で球体をガンガン蹴りまくる私の顔は涙がボロボロと流れていた
全部全部お前のせいだよ!なんで私の神器であの時壊れなかったんだよぉぉ!!壊れなかったらこんなことには……
ありゃ?
ピタッと蹴りをやめる
再び球体に目線を写すとそこには穴が開いた球体があった
「え???」
なんで?右足しか当たってないよ、なんで??
恐る恐るもう一度蹴ってみると球体に穴が開いた
左足で蹴ってみるが穴は開かなかった
今の私の右足は影で出来た義足
影?……影…闇………闇?
「もしかして…」
私は影から巨大ハンマーを作り出しそのまま球体に向けてハンマーを降り下ろすと球体はハンマーと共に地に落ちる
パキッ
何かが砕け散る音がハンマー下から聞こえたので恐る恐るハンマーをゆっくり上げてみると…
「あ…」
そこには小さな白い球体の欠片がキラキラと散らばっていた
「あ!?やったあぁぁ!」
なんだーこの球体ってば闇攻撃に弱かったのかー
よかったーほんとーにふー…
「再生したらヤバイから食べちゃって」
影から四匹の蛇を呼び欠片を食べてもらった
「これでコシュリュコアも元通りだーー」
パッと周りの風景が変わる
「うぇ?」
周りを見渡すといつもの保健室だったが、目の前にいるものは全然いつものではなかった
「あ、起きた…あんたデカイ割には軽いんだな」
「え……」
私の目と鼻の先には
「しょ…しょうしゅ君???」
ソウス君が私を担いでいた




