18.何かが切れる音
「……ですから、この殻の魔法石に己の魔力を入れることによって魔法石は作られます」
魔法専門教師が土色のゴツゴツとした小石を片手に持ちながら生徒たちに説明をしていく
……うむうむ、石に魔力を入れるのか…この杖全部が木だけど何処に石があるんだろ
先ほど購入した杖を回しながら石らしきものを探していると教師が私の元に歩みより
「先生、その杖の中にある魔法石は殻なので宜しければ私が魔法石と杖の融合を解除しましょう」
「…え?何ですか、融合??」
「はい、丁度生徒に杖についての説明をしたかったんです」
私の前に手を差し出す先生
寄越せってことですね…
「…壊さないでね」
教師に杖を手渡すと教師は全生徒に見えるよう杖を両手で持ち上げる
「杖は魔力が流れやすい木材と複数の魔法石と融合をすることによって作られるものです、しかしこの杖の魔法石は魔力が切れています」
「使いきりかよー」
「ボロボロの杖じゃん」
「だっさ」
ダサくないやい!!!
教師は杖を生徒たちの目の前に存在する大きな机の上に置き、ブツブツと呪文?を唱え始めると杖がカタカタと揺れながら形が徐々に変わっていく
「お!」
「すげー!」
気が付くと机の上にあったはずの杖はただの太い木材になり、その隣には土色の石が山のように積まれていた
「このように融合を解除してみると杖は魔法石と木材が融合して出来ています、では魔法石の種類ですがまず大きく分けて2つあります。一つは天然の魔法石、これは自然界で何百年もかけて作られた魔法石でこの魔法石で作られた杖で魔法を使用するとほんの少しの魔力で魔法を使うことができ、さらに魔力切れはそう簡単に起きません」
教師はホワイトボードのような大きな白く横長いフワフワと宙に浮いている板に絵と字を書いて説明をしているが字が読めない私にはそれはちんぷんかんぷんで全くわからなかった
「続いてもう一つは人工的に作られた魔法石は人の手によって作られた魔法石で生産量がかなり多く何処でも手にはいる魔法石になっていますがすぐに魔力切れが起きてしまいます、しかし人工的に作られているため人の魔力と相性が良くこの魔法石で作られた杖を使用すると魔法を自由自在に操ることが出来ます」
「おぉ…自由自在良いね」
自由自在かぁ…いいね、シャボン玉とか出来たら子どもたちが大喜びするだろうなー、あとシャワーとか水鉄砲とか…あっ氷でアートとか作れそう!
「ねえ、君もそう思わない?!」
あ……楽しすぎてつい隣のソウス君に話しかけてしまった、でもソウス君ならきっとこの気持ちわかってくれるよね!!
「リコたんに魔法で楽しませたい!」とか言ってきそう……ププッ
「は?」
彼の口から出たのは冷たい返事
「ばっかじゃね?魔法なんか避けとけば良いし、杖なんか剣より脆いしさ」
「え…あ?」
……あるぇ?
「つか、なんだよこの学校はレベルが低すぎる…俺はさっさと騎士団に入らなきゃいけないんだよ」
……ソウス君?
「そもそも、あんたみたいな市民教師がこのジェルアディーユ家の俺に話かけてんじゃねーよ
死罪にするぞ」
一年前の彼の目は少しずつ妹以外の人にも優しい瞳を向けていた
君は人をちゃんと見ていた
でも、今の君はコシュリュコアを人として見ていない、コシュリュコアを鼻で笑い見下している
何故?
……私のせいなのかな?私があんな記憶にしたからなの?
ープチッ
何かが切れる音と共に私は何故か黒く濁った白い球体が中心に浮いている彼の部屋にいた
「へ??」




