11.朝は騒がしい
<ママ起きてー>
<ちょっと、床で寝てるし!>
<ご飯だよ>
子どもたちの呼び声で私は目を覚ます
昨日、床で寝ちゃったんだ…私
あくびをしながら目を擦り、ゆったりとぼーっとキッチンに向かおうとすると子どもたちが行く手を阻む
「ふぁぁ、今からご飯作るから…」
<大丈夫!ご飯は私たちが作ったから!!>
<そそ、大丈夫だよ!>
<もう食べたから、作らなくていいよ!>
「そうなの…ごめんね、起きるのが遅くて」
<ううん!別にいいから>
<うんうん、ゆっくり寝てていいから!>
「そうです!ご飯は」
「私たちが作るから!」
気が付くとキシナとナシキも子どもたちの隣に現れ私の行く手を阻んでいた。わあぁ、とっても良い子達だ!
「そう?じゃあ、お願いしようかな?」
<うん!>
<よっしゃー>
「やった!」
「いぇーい」
<へーい、ハイタッチ!>
嬉しそうにメトル君とナシキはお互いにハイタッチをしていた、そんなにやりたかったんだ…
…あれ?待って、なんでメトル君とナシキがハイタッチなんてしてるの?そもそも何で話してるの??
「…ねえ、ナシキはその子が見えてる?」
私はメトル君の背後に回り、そっと彼の肩に手を乗せナシキに問うとナシキはきょとんとした顔で
「え?普通に見えてるけど」
「僕も見えてるよ、他の子もねー」
「!??」
え、どういうこと…!?
確かに影で具現化させたものは誰でも目に写るけど…この子たちは特別で私と神様の女性以外は見ることは出来ないし、出来るとしたら昨日みたいに小さい子どもがぼやけた子どもたちを見ることしかないのに……しかも声まで聞こえてるなんて、
「まっそれは置いといて」
「ちょっと、急ぎ足で説明しまーす」
何故か少し慌てているキシナが私とナシキの間に
割り込む
「え…な、なにかな?」
「とりあえず、これに着替えて!」
キシナは私に服を押し渡すと、突然ナシキは私の服を脱がし始める
「えっ、ちょっと!な、なに?!」
いきなりの行動に抵抗もできず、一気に服を脱がされ上半身を裸にさせられた
「なにするの!!?」
顔を赤くし、両手で胸を隠しながらナシキを睨むとナシキはため息一つ吐き淡々と答える
「邪神さん…今あなたはココアの体なんだよ?ココアは男だから胸を隠さないのー、オカマに見えるし
……これでも気を使って女の私が着替えさせてるんだからーそれとも、男のキシナに着替えさせてほしかったの??」
「…いえ、これで…いいです」
そう、思うと熱かった顔が少しだけ冷めてくる
でも両手を外すことは出来なかった
…そらよりキシナって、男の子だったんだ…髪が鎖骨ぐらいまで伸びてるからてっきり女の子だと思ってたよ
着々とナシキに着替えさせられていると、キシナが何処からか白いローブを持ちながら、ごほんと咳払いをし、私に話しかけてくる
「えっとね、改めて僕とナシキは双子でどちらが兄でどちらが姉かはわかりませんが年は13、その体こと、ココアは23歳です」
「へー、10歳離れかぁ」
「はい、そうです。そして、僕らは今お金に困っています、ココアがいないと僕らは路頭に迷ってしまう…なので邪神さん、申し訳ないですがココアの代わりに働いてくれませんか?」
そういえば、昨日そんなこと言ってたね
流石に子どもを路頭に迷わせたくないし、この子たちがそうなるとコシュリュコアは目覚めないまま死んでしまうことになるから…これは見過ごせないな
「うん、いいよ」
「ありがとうございます」
「ありがとうございます」
おぉ、キシナとナシキが同時にお礼を言った!
凄い息ぴったり!さすが双子!!
「えっと、仕事は確か教師だっけ??」
「はい…なんの教師かは教えてくれませんでくれませんでしたが」
「あのココアだから、多分人があまりいないくて
激しい授業じゃないと思うよ」
…は、はげしい!?
一体その授業ってなにをしてるのかなぁ
あ、体育かな?
「よし、出来た」
ナシキが手を叩きながら私から離れていく、どうやら着替えがおわったらしい
服装は至ってシンプルなもので白シャツに黒ズボン、長い髪は首ぐらいのところに赤いリボンで緩く結ばれていた
「おー、流石ナシキだよ!じゃあ最後にこれを着て下さい」
キシナが先ほどから持っていた白いローブを手渡され、羽織ってみる
ローブを羽織ってみたけど、なんか魔法使いになった気分だな…ふふっ
「じゃあ、さっさといくよ!!」
「そそ、ほらこっちにきて!」
二人に呼ばれたので、そちらに行くとブツブツと呟き始めるキシナ、と手提げ鞄を私に手渡すナシキ
…何故かさっきから慌てている二人、何かあったのかな?
「なんで、さっきから慌ててるの?まだ学校はお休みなんでしょ??」
<母ちゃん、魔法使いみてー!!>
<ママかっこいー!>
私がそう二人に問うと同時に私の元に子どもたちがワイワイと騒ぎながら集まってくる
「あら、ありがとー」
「…実は、その」
ブツブツとなにか呪文でも呟いているようで全く答える暇がないキシナの代わりにナシキが下を向きながら一歩ずつ私から離れながら答える
「今日なんです…」
「?」
「学校始まるの……今日なんです、しかもあと1分で始まります…」
「…え?」
…えっと、なに?つまり今日から先生なの?
しかも遅刻寸前!?
「大丈夫です、今キシナが移動魔法を唱えてますから!!ほら、もう少しですから!」
「いやいやいや、教師って私したことないよ!」
「行けます行けます、がんばって!」
「いや、そんな……」
「よし、出来たよ!行ってらっしゃい!!」
私とナシキが話し合っていたその時、唐突にキシナの声と同時に私の視界は黒く染まり、激しい浮遊感に襲われる
「ひぃやっ!?」
…待ってよぉ、キシナ話の途中だよ…それになにこの浮遊感は、吐きそう……
吐くのを耐えていると、目の前がパッと風景が変わる、どうやら目的地に着いたらしい…そちらに気を行かしていると突然、私の体は床に勢いよく叩きつけられる
「いったぁ…」
頭打った…痛いし、これコブ出来てないかな
「コシュリュコア先生!学校開始そうそうギリギリ出勤ですか!!全くあなたってひとは…!」
床に倒れている私の真上から女性の甲高い声が耳に響く
キーンって響くよぉ、耳が痛いよ……頭も痛いし
「ほら、コシュリュコア先生!さっさと職場に行きますよ!!あなたは一人で行かせると何処かで寝ていますからね…なので、私がちゃんと送り届けますからね!」
女性は甲高い声を叫びながら、後ろからシャツの襟を掴みズルズルと私を引き摺っていく
「ふぇっ、待って首!首!」
やばいってば、首が締まる!く、首が逝く…
あばばば…
「そういって、また逃げ出そうとするんでしょ
今回はそうはいきませんから」
女性はそういって私を何処かへ引き摺っていく
私の言葉すら聞いて貰えず
……なんだろ、音楽の授業で習った歌が今頭を過ったような
あぅ…もうだめ、首が……出荷させる…
(´・ω・`)出荷よー




