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4.そして君と出会う

私が孤児院で働いてこの世界のことがわかってきたある日のこと


「今日から皆さんと一緒に暮らすことになった、ソウス君とリチェーコちゃんです」

カトゥーさんが突然二人の子どもを連れて帰ってきました

ソウス君は眼鏡をかけた私と同じ黒髪黒目の男の子、カトゥーさんが紹介している時から妹のリチェーコちゃんを私たちに見せないように後ろに隠しています、どうやら警戒しているらしい


「ささ、皆さん二人に自己紹介を…」

カトゥーさんがそう言うと子どもたちは元気よく自分の名前と年齢、そして好きなものを話していました

子どもたちの自己紹介が終わったところで最後に私の紹介です

「私はイオンっていうの、年は17歳。よろしく」

「…」


うーん、まだ警戒してるっぽいなぁ…私子どもとのコミュニケーションの取り方全然わからないからどうしたらいいかわからないよぉ…

こう考えているとこの孤児院の子どもたちって本当に良い子ばっかりだなぁ


「…ビ」


「ん?」


ん?ソウス君いま何か言ったのかな?

「ソウス君今なんて…」

「チビ」


「…は?」


今、私のことを言ったのかな?え?いや、チビって言った?いやいや言ってないよねうん、うん!


「あんたチビだな、17歳なのにその背とか俺の周りにいたあんたと同じくらいの年齢のやつはもっと高かったぞ」


「…」


この…ガ……この子は、人が気にしてる所をズカズカと言っていくな…

そうだよ、私はチビだよ!17歳なのに150㎝いってないんですーーーー!!でーもー、大丈夫だしっ人にはそれぞれの成長期がありますしーー、これからだしーーー!!!


叫びたいこの気持ちをおさえながら、ソウス君の発言を聞かなかったことにし、私はソウス君に質問を始めた

「ソウス君とリチェーコちゃんは何歳かな?」

「私はきゅ…」

「俺は11歳!リコたんは9歳!!」

リチェーコちゃんの声を他の人に聞かせないとソウス君は声を大きくしてに答える


…あらら、リコたんかぁ可愛い呼び名だなぁ

「ソウス君とリチェーコちゃんの好きなものは?」

「リコたん」

「私はお花」


あ、うん…ソウス君はリチェーコちゃんが大好きなのかぁ、大好きなだけだよねぇ…


「俺は将来リコたんと結婚するんだ!だから、虫がよらないように俺がこうやって守っている!!」


と、ソウス君は孤児院の男の子たちを睨みながら叫びました

はい…大好き通り越しちゃったね、うん、こんな人っているんだなぁ…妹大好きすぎて結婚したいお兄ちゃんって



私がソウス君に質問をしていると、間に割り込むようにカトゥーさんは入いり、両手を広げて子どもたちに楽しそうに話す

「皆さん自己紹介がすんだことなので、今日からこの二人もこの家の子です。皆さん仲良くしましょーね!」


しかし、凄い兄妹を持ってきましたね…カトゥーさん、どこで拾ったんだろこの人は…


「はっ宜しくな、チビ」


自信気に鼻で笑いながら私を見てくるソウス君

体から出てきそうになるどす黒い気持ちを必死に押さえながら、なんとか笑顔を作りながら返事をする私


「…よ、よろし、くね、ソウス君」




こうして、私とソウス君は出会ってしまった




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