17.異変
ソウス君の後を追うと決めましたがやっぱり若い男の子って元気がいいし、足も速いし、スタミナもあるし、それで私は車椅子…うん、追い付けないね
私の全力を車椅子にぶつけ、猛スピードで追い付けましたが気づくと車椅子が通れない泥道の目の前にいました
「イオンさん?」
「あ、リチェーコちゃん」
ゼーゼーと荒い息づかいをしながら走ってきたリチェーコちゃん、話を聞くと彼女もソウス君を探しに来たらしい
「イオンさん、その服似合ってますよ」
「あら、ありがと
ところで、ケンカでもしたの??」
彼女は複雑な表情をしながら「まあそうだね」と私を見てため息をはいた
なんだろ?お菓子の取り合いかな??
「イオンさん、多分兄貴は大丈夫だから帰ろ」
「え、でも…」
「大丈夫大丈夫、あれでも護身術は習ってるから
それより護身術もなにもないイオンさんがこんなところにいたら危ないよ」
「うん…でもさ」
「はいはーい、車椅子おしまーす」
ソウス君を探したい私をリチェーコちゃんは私の了解無しに車椅子を押す、ただ押すのではなくリチェーコちゃんは猛ダッシュで走った
凄いなぁ…リチェーコちゃんは、私と車椅子の重さをこんなに軽々と速く走れるなんて……
あはははぁ……
「ひぃやぁぁぁぁぁぁぁっ!!??」
なんだろ、ジェットコースターに乗った気分…
吐きそう……
「なんか、変じゃないです?」
「え?」
気がつくと孤児院の前にいました
確かにいつも子どもたちの笑い声が外まで響いているのに全く聞こえず、ただ森のざわめきしか聞こえませんでした
「皆お昼寝してるんじゃないかな?」
「そうですかね?」
皆はしゃぎすぎてきっと寝ちゃったんだろうなぁ
クスクス笑いながらドアをあける
「ただいまー」
私が帰ってくると
《おかえり!》と言いながらいつもなら走ってくる子どもたち
「……あれ?」
誰一人来なかった
ただ、不意に誰かの声が聞こえた気がした
空耳かもしれない、大声でもない声、周りには誰もいないのに聞こえるかすかな声
『ママ、たすけて』




