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15.ヘタレ君

「今日は皆さん外に出てはいけませんよ、雨が降りそうな天気なのでねー」


みんなのお母さんになった次の日カトゥーさんはそういうと美味しそうなカップケーキを人数分テーブルの上に置き「なので皆さんで仲良く食べましょうね、沢山焼いてるので沢山食べてくださいねー」と言うとキッチンの奥へ行ってしまった


「ねーねー、ママ」

「なあに?」

ロリエちゃんがカップケーキを両手で持ちながら私の膝の上に乗る

「昨日あげたスカートきてぇ」

「いーよ」

昨日皆から頂いたあとロリエちゃん、カナット君の最年少二人は私に抱きついたまま寝てしまったので頂き物は着ることができなかった

「えー!じゃあぼくのもー」

「おれらのもー!!」

「私のも私のもー!」

「あたしのもー!」

「おれらも…」

ロリエちゃんに続いて他の子たちも我も我もと手を挙げて主張し始める、まるで授業参観のようだ

「はいはい、じゃあメリーちゃんとカーリーちゃんちょっと手伝って貰える?」

「わかった!」

「おっけー!」

二人に車椅子を今借りている部屋まで押して貰うことにした







###


俺は昨日の出来事に不満を抱いていた

あいつが、お前らの母親になっただと??ふざけんなよ…あんなドジで間抜けの何処の骨かわからない女だぞ、よく母親にしたいと思ったな

「お前ら、本当にあいつが親でいいのかよ」

あの女が部屋から出ていったあと俺は舌打ちをしながら陰口を言うように呟く

「ソウス…なんだよ、何が言いたい」

いつも喜楽にヘラヘラしているジャファーが眉間にシワを寄せ、睨んでくる

「はっ、あんな女のどこがいいんだよ!お前ら可笑しいんじゃねーのかよ!!?」

俺が大声で叫ぶとロリエとカナットはきょとんとした顔で

「ママしゅきーねえーカナット」

「うん、ぼくもだいすきだよ」

続いてメトル、サガ、メリーも

「えー、そう?俺は好きだぜあのぽわぽわしてる感じがいいよなー」

「そそ、おれもおれも…ほら結構胸あったし」

「キモい」

「え、おれだけひどくない??」

「サガだからでしょ、あたしもすきだよー」


「…とチビッ子たちは彼女を母親と認めて好きといる、俺とジャファーも彼女を母親なら歓迎だ。

それと、ここにいる奴らは殆ど頭が可笑しい奴らばかりなんだよ残念だったなソウス」

「別にお前の母親じゃねーんだからいいじゃん」

「うるさい!あんなガキみたいな顔で足のない女なんか生きてる価値ないだろ!!」

「お前!!

言って良いことと悪いことがあるだろ!!!」

認めない…認めない…あいつが母親など認めない、母親にしたくない!!

「兄貴…」

「なんだよ!リチェーコ!!」

今はかまってられないんだよ!リチェーコあとでにしろ!

「もしかして兄貴……

イオンさんのこと好きなの?」


リチェーコの言葉に一瞬頭のなかが真っ白になった

「…え?」

俺があいつのことを好き……?

「だって、兄貴最近イオンさんのことしかみてないもん、前まで私にベタベタだったのに今ではイオンさんにベタベタ」

「リコ…たん?」

「夜いつもいつもイオンさんの話ばっかり、まぁ悪口ばっかりだけど」

「リ…コ…」

やめてくれ、そう言いたかったでも、リチェーコは俺を真っ直ぐ見つめる真剣な表情に言葉が喉から全く出てこなかった

「兄貴はさっきから「イオンさんが母親なんて認めない」と言ってる、でも本当は兄貴……








「兄貴とイオンさんの子どもの母親になって欲しい」そう思ってるんじゃない?だから、それまで他の子の母親になってほしくないんじゃないの??」

「う…るさ……い」

「うるさいよ、でも兄貴は今この子達に嫉妬してるのヤキモチしてるの、だからあんな酷いことを言ったの」

「うるさい!!!」

「だからいつまでたってもイオンさんに本当の気持ちが言えずにいつもいつも悪口や悪いことしてるんだよ!!!このヘタレ!!チキンバカ兄貴!」


「うるさいっていってんだろ!!!!」

「…ッ!」

つい、カッとなってしまったリチェーコに俺が思っていることをグサグサと当てていったから、全て当たっていたから最愛の妹を怒鳴ってしまった、怯えさせてしまった


「……兄貴、早く本当のこと言わないと…もう二度と伝えられなくなる…かも…し、しれないよ…?」

涙を浮かべながら必死に俺に伝えようとするリチェーコのその言葉を聞いた瞬間俺は逃げた


逃げてしまった…彼女に告白するのが怖くなって

反射的に足が動いてしまった


後ろからリチェーコの「兄貴のヘタレ!!!」と大声で叫ばれたがそのときの俺には全く頭に入ってこなかった





そして俺は外に逃げた







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