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第六話

「一人の少女を殺す為だけにこれだけの人数を揃えてくるという事はそれだけ大物がバックに控えていると考えて良さそうだな」



最初の言葉は侮辱、後の言葉は自分の考えを確かめる為として放った。


「それで、お前達の後ろには誰がいる?」


二度目の問いかけにも黒服共は無言を貫き通す。


「これ以上の遣り取りは無駄みたいだな。手加減してやるからかかってきな」


俺は懐から取り出した愛用の拳銃を取り出しサイレンサーを取り付けながらけしかける。

黒服達も懐から拳銃を取り出し俺に向けて構えて一斉に撃ってくる。

俺は横っ跳びに跳ね、店の壁を蹴って相手の頭上を取り一人の男の頭に照準を合わせて引き金を引く。

サイレンサーのおかげで銃聖は響かず静かに一人倒れる。空中にいる間にもう一人に撃つがこれは避けられてしまう。

チッと舌打ちをし、俺は着地と同時に撃ってきた銃弾をかわして一番近くにいた奴の下に潜り込み足払いで体勢を崩し腹に二、三発連続で鉛弾をくれてやる。

そいつは腹を押さえて倒れ込むが仲間が倒れるのにも構わず冷徹に踏みつけ蹴りつけ丸で石ころのように扱う。


「お前ら情け容赦ないな」


という俺も情け容赦なく奴らの頭や腹を狙って撃ちまくってるから人の事を言えるわけではない。黒服達は再び構え銃弾を惜しげもなくばら撒いてくる。俺は店の陰に飛び込んでやり過ごす。

銃に弾を装填しながら現状の確認をする。


(敵はまだ六人、弾はまだ余裕があるから問題はないが、置いてきた二人の方は大丈夫か一応ヒロがいるとはいえ姫がいる状態でまともに戦えるかどうか……とにかく早く合流することに越した事はないか。気配がこっちから漏れていたから早めに潰しに来たが早計だったかもしれない。俺は軽い後悔しながらもやる事を決め行動に移す。まずは目の前にいるうざいゴミ共を排除するのが先だな。そうと決まればこいつらに一秒でも時間を割くわけにはいかない。終わらせてやる!)


俺は店の陰から飛び出し威嚇として足元に数発撃つ。

だが、怯みもせずに俺の顔や左胸を狙って引き金を引いてくる。顔を傾け、上体を逸らし最小限だけの動きだけを使って全ての銃弾をかわす。懐に手を入れ奴らの手を狙って手首のスナップだけを使って投擲する。奴らは投げたナイフを銃で叩き落とすがそのわずかの時間で俺は奴らとの間を詰めすれ違いざまに三人の喉に残っていたナイフを突き立てる。

残りの奴らは仲間が喉から血を滴らせている光景を目の当たりにしても撃ち続けてくる。残り三人、地面に貼り付くように伏せ、銃弾が頭の上を通り過ぎてゆく。そのまま滑るように動き、手首、足首を的確にそれぞれ斬りつけ動きを封じる。その後動けなくなった奴らを一人一人に止めを刺していく。地面に八個の肉の塊が出来上がった。


「さて、ヒロ達と合流してやらないと」


踵を返して走り出そうとした瞬間、耳を劈く悲鳴と大気を震わす爆音が轟く。俺は奥歯を噛み締め口の中の苦いものを噛み潰す。


(チッ厄介な事になったな。やはりこっちは陽動だったという事か)


意識を足に集中しアスファルトを砕く気持ちで蹴りあげるそれだけで地上から十メートルの高さにあるコースターのレールに足を着けそこから更に踏み込みレールを踏み砕いてその力を跳躍力に変換する。その高さはゆうに二十メートルを超え、まだまだ伸び続けている。

その間に俺はヒロ達の位置、観覧者の下にいるのを確認し、跳んでいる間に組み立てておいたライフルを片手で構え、引き金を引く。照準は敵の足元、動きを止める為の一発を放つ。

銃声が轟いた後、空気を切り裂き狙った場所から三十センチずれた場所に着弾した。敵は立ち止まるにおえず、こちらの方を振り返らせる。

俺は敵二人の後ろに着地し大声で叫ぶ。


「リーダー解放しろ!」


その声に素早く反応したヒロは左手と右手を鋭く振り言葉を紡ぐ。


【黄昏の世界が終わる時、黎明の光が差し込まれ世界は金色に染め上がる】


ヒロの両手足に枷が出現し俺が着けている眼帯から無数の漆黒色の鎖が伸び絡まりあい繋がりあい結びつき互いが互いを喰らい複雑怪奇な蜘蛛の巣のような物を形成していく。やがて鎖の動きが止まると結びついた繋ぎ目から金色の炎が灯り、その炎は鎖を走りながら鎖を断ち切っていく。そして炎はヒロと俺の元まで達し眼帯と枷にも炎を灯す。炎によって俺の右目を覆っていた眼帯とヒロの枷を燃やしていく。


【金色の光は闇色に染まりし世界に

 一筋の希望を齎す

 希望は未来 誰もが届かない神聖な世界

 しかし誰もが望み憧れる

 光に満ちた輝かしき世界

 私達はそんな世界に願いを託し

 そんな世界に想いを馳せる】


「これ以上変な動きをさせるな!」

「もう遅い」


俺はそう静かに告げスゥと息を吸い込む。


【【さぁ散りばめよう輝かしき希望の星々を】】


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