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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

魔法は窮屈な物じゃない

作者:慈架太子
最終エピソード掲載日:2026/01/28
この世界の魔法は、長きにわたり「血筋」と「特権」の象徴であった。膨大なマナを練り上げ、古の賢者が定めた複雑な術式を詠唱することで、ようやく一つの現象を引き起こす。それが、この大陸の絶対的な真理(ドグマ)であった。

王女リゼリアを奉じ、辺境からの帰路に就いていた「三日月と薔薇騎士隊」は、突如として鋼鉄の鱗を持つ魔物、メタルリザードの群れに包囲される。最強を誇る乙女騎士団の魔法ですら、二トンの質量と硬質な物理防御の前には無力であった。銀の鎧は砕かれ、大地は血に染まり、アンジェリカ隊長が死を覚悟したその時、戦場に乾いた破裂音が響き渡る。

現れたのは、杖も剣も持たぬ一人の男、ケンジであった。彼はマナを一切放射せず、詠唱すら行わぬまま、指先から放たれる不可視の衝撃――「物理演算(バレット)」によって、瞬時に魔物の巨躯を内側から爆散させたのである。

命を救われた騎士たちは、彼がもたらした「理」に戦慄する。彼にとって魔法とは、神への祈りでも、選ばれし者の秘術でもなかった。それは「自由なイメージ」と「二の累乗」によって爆発的に加速する、極めて合理的な物理現象の制御に過ぎなかったのである。

「魔法は窮屈な物じゃない」

その一言と共に、ケンジは既存の魔導書を「非効率なバグ」として切り捨てた。一発のマナで百万の事象を制御する、世界の理(OS)そのものを書き換える革命が、この凄惨な戦場から幕を開けたのである。
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