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第16話:白亜の街と、交差する視線

王都グランセリアの宿屋に荷物を下ろした私たちは、エルナさんの提案で翌日のためにマーケットへ買い物に出かけることになった。


「わあ……! アクア、見て! あのリボン、アクアに似合いそう!」


「きゅるるんっ!」


私はアクアを抱き上げ、露店に並ぶ色とりどりの装飾品に目を輝かせる。


王都のマーケットは、歩いているだけで心が浮き立つような香りと音に満ちていた。


「……ルミナ、はしゃぎすぎだ。迷子になっても知らないぞ」


シエルが呆れたように言いながらも、私の服の裾をそっと指先で摘んでいる。……まるではぐれないように守る子供の親のような、でも、その視線はどこか鋭く周囲を警戒していた。


「おいシエル、裾を掴むなんてケチなことしてねえで、俺みたいにドカッと前を歩いてやれよ!」


ガルドが私の前で人混みを割るように歩く。

時折、向こうから来るガタイの良い男が私にぶつかりそうになると、ガルドは無言で肩を入れ、私に指一本触れさせない。


「……ふん、野蛮な歩き方だ。君のせいでルミナが余計に目立っているのが分からないのか?」


「あんだとぅ!? 嬢ちゃんを守るのが俺の仕事だ!」


二人が火花を散らす中、エルナさんが楽しそうにパンを選んでいる。


平和だなぁ、なんて思っていたその時、青いマントを翻した一団が私たちを取り囲んだ。


「――聖剣の勇者一行とお見受けする。国王陛下がお呼びです。明晩、城にて晩餐会を執り行います」


それは、王宮騎士団からの正式な招待状だった。

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