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第13話:大都市グランセリアへの道と、賑やかな受難

「いい、みんな。次に向かう『王都グランセリア』は、この国で一番大きな街よ。マナーと節度を持って行動しましょうね」


馬車の御者台で手綱を握りながら、エルナが穏やかに告げる。


……そう、エルナが仲間になってからというもの、野宿の質だけでなく移動の質まで向上し、私たちは快適な馬車旅を楽しんでいた。


「節度、か。……一番その言葉から遠い奴が、僕の隣でアクアとじゃれ合ってるんだがな」


シエルが本を読みながら、横目で私を見る。私は今、アクアと一緒に馬車の窓から身を乗り出して、流れる景色に夢中になっていた。


「だってシエル、見て! あの雲、大きなパンみたいだよ! お腹空いてきちゃった」


「きゅるるん!(パン食べたーい!)」


「……はぁ。ガルド、お前からも何か言え。……ガルド?」


シエルが振り返ると、そこにはエルナが用意した「保存用のお腹に優しいクッキー」を、リスのように両頬に詰め込んだガルドがいた。 


「んぐ、んがっ! ……おう、シエル。このクッキー、マジで止まらねえぞ。食うか?」


「…………このパーティーには、僕以外にまともな知性を持つ者はいないのか?」


シエルが頭を抱えたその時だった。


『ドォォォォォン!!』


激しい衝撃と共に、馬車が急停車する。


前方の街道を塞ぐように、巨大な岩が転がり落ちてきていた。さらには、崖の上から卑劣な笑い声を上げながら、数十人の盗賊団が姿を現す。


「へへへ! 運がいいぜ、上等な馬車じゃねえか。荷物も女も、全部置いていきな!」


「げっ、盗賊!? シエル、ガルド、出番だよ!」


私は慌てて聖剣を構えた。ガルドもクッキーを飲み込み、神具化した斧を手に馬車を飛び出す。


「おう、食後の運動にはちょうどいいぜ!」


「……やれやれ。ルミナ、お前はアクアを守って馬車の中にいろ。ガルド、右は任せた」


シエルが冷徹な瞳で弓を引き絞る。


……しかし、盗賊たちの数は予想以上に多かった。崖の上からの投石や矢の雨に、流石の二人も苦戦を強いられる。


「くっ……数が多いな。ガルド、無理に突っ込むな!」


「分かってるが、上からの攻撃がうっとうしいぜ!」


「……あらあら。せっかくのクッキータイムを邪魔するなんて、お行儀が悪いわね」


その時、馬車の御者台から、エルナが静かに立ち上がった。

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