第三話 五大将評議会
第一章 栄光と均衡の終焉
千年に一度の奇跡が顕れた。
神聖女帝ココ ── 人を見抜き、人を惹きつける天性のカリスマ。
そして彼女に見出された五人の英雄 ── シズク、トウガ、ノアール、ラートリー、シノ。
彼らはそれぞれが皇帝となり得る器を持ち、時代が違えば玉座に座っていた者たち。
この六人が同時代に揃ったことは、神聖帝国にとって祝福であり、運命であり、奇跡だった。
彼らは先駆文明という神にも等しき敵に挑み、技術の壁を越えて勝利を掴んだ。
その勝利は、神聖帝国の歴史を塗り替え、銀河に新たな秩序を刻んだ。
だが、奇跡は永遠ではない。
女帝ココという強烈なカリスマを失い、神聖帝国には大きな懸念が立ち込めた。
別の時代、別々に生まれれば、皆が皇帝になることが出来たと噂されるほどの器量を持つ5大将を
誰が取りまとめるのか。このままニャニャーン神聖帝国を支え続けてくれるのか?
青髪の提督 シズク・アジュール女公、冷静沈着、非情な策略家で野心が強い。
赤髪の提督 トウガ・クリムゾン公爵、熱血漢で時に熱くなるが人望も厚く、猛将としても名高い。
黒髭の提督 ノアール・オブジディアン侯爵、帝国の盾の尊称を持ち、皆の信頼が厚い。
緑髪の提督 ラートリー・ヴァーダント侯爵。頭の回転が速く天才肌の男で時に何を考えているかわからないような男。
黒髪の提督 シノ・アンバー辺境伯、野心のためには何事も利用する利己的な部分もある。高みを目指す者。
この5人を何とかして同じ方向に向けさせようと文官達は苦心している。
先代神聖女帝ココの3歳になる娘ウララが幼いながらも神聖女帝として即位した。
当然3歳の少女に国が治まるわけがなく、通常であれば摂政をおくべきであるが、5人の力は拮抗しており、
誰もがその一歩先に踏み出すことが許されなかった。
文官達の手配により5人が評議会メンバーとして同格の立場で女帝を支え、国政を担うこととなった。
だが、この5人が横並びに甘んじるとは誰もが思ってはいなかった。玉座は絶妙な均衡の上に成り立っていた。
元々優秀な者達だ。支えあっている内は国内は安定した。
後世の歴史家もこれほどまで評議会政治が長続きした例も珍しいと言う。これは真に5人の力が拮抗し、牽制しあった結果ともいえる。
また実質トウガとノワールは女帝派であり、二頭摂政と言ってもよく、これが評議会政治が安寧に長続きした要因ともいえる。
そして十数年が経ち、神聖女帝ウララは15歳になった。
ウララは成長するにつれて母譲りのカリスマの片鱗を見せ始めた。
女帝の成長、これは必ずしも良い結果を生むとは限らない
遂に物語が動き始めました。
ウララが凡庸であれば話はシンプルにまとまったのでしょうが・・・。
彼女はココの才能を確かに受け継いでいた。
これが吉と出るか凶と出るか。 英雄たちが蠢くニャニャーン神聖帝国、どうかお見守りください。
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本作は政治の頂点で繰り広げられる息詰まるお話です。
読み疲れたらこちら。
本来のニャーン達の日常から、ギャグ、シリアスまでの
疲れない話がここにあります。
ニャニャーン番外短編集(不定期更新)
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