表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神曲リノベーション・地獄八景亡者の戯れ篇  作者: ことぶき神楽


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

21/34

第七幕(三)

「さあ、先に行きますよ」


 ふたりは、圏を横切り反対側と辿り着きます。


「ウェルさん、ちょっと見ておくんなさい。泉が湧き出してますが、これは飲めないですよ。どす黒い色してます。原油だったら大金持ちなのになあ。あっちに流れていってます。ウェルさん、行ってみましょう」


 ダンテさんたちは、道なき道を分け入っていきます。それを、カメラが前方から捉え、さながら「ダンテ探検隊」といったところですな。


「崖から落ちた先が沼になってます。大層、大きい沼です」


「これは、ステュクスという沼だな」


「ウェルさん、それを十遍、言ってみてください」


「ん? いいでしょう。ステュクス沼、ステュクス沼、ステュクス沼、ステュクス沼、ステュクス沼、ステュクス沼、ステュクス沼、ステュクス沼、ステュクス沼、ステュクス沼」


「ここは、どこでしょう」


「ステュクス沼」


「正解!」


「なんじゃ、何も工夫がないではないか。言い難いだけであろう」


「そうです、そうです。ウェルさんって、アエネーアースとかステュクスとか言い難い言葉が好きなんでしょ。『東京都特許きょきゃきょく』って言えますか、『隣の客はよくきゃくきゅうきゃくだ』はどうですか」


「ダンテさんが、言えてませんな。まあ、少し落ち着きなさい」



 ダンテさんが崖下を眺めますと、裸の亡者たちが沼の中で争っている姿が目に入ります。


「殴り合ったり、噛み付き合ったり、たいへんな騒動です。なんぞ、ありましたか。お祭りですか」


「彼らは、憤怒の気持ちに負けた亡者たちです」


「フンドー怒りの脱出ってやつですか」


「それはランボーであろう」


「そうでした。乱暴でした」


 ダンテさんたちは、話が噛み合わないまま、沼が描く広大な円弧を廻り、塔の下に辿り着くのでございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ