犬のおまわりさん、子猫のために手段を選ばない。
まいごのまいごのこねこちゃん
あなたのおうちはどこですか
おうち~をきいてもわからない
なまえをきいてもわからない
ニャンニャンニャニャーン
ニャンニャンニャニャーン
な~いてばかりいるこねこちゃん
い・ぬ・の~おまわりさん
こまってしまってパリィィィィィィン! 事務所の窓を体で突き破る!
「なんじゃいキサマぁ!」
「ハァハァ。無礼を承知で頼み申す! こねこちゃんを助けてはくれんか!」
「われ、ここがどこの組のもんやと思っとるんや!」
「この地元で有名な組だろう、知っている。だからカチこませてもらった」
「なんや覚悟出来とるちゅうんかポリ公」
「そんなこと、知らん!」
ドン!
「いまはこねこちゃんを助けるのが先だ……そうだろう?」
「なにをぬかして、!?」
こねこ、ニャンニャン!
「こらいかん! われ! なんで泣かしとるんや説明せんかいゴルァ!」
「分からぬ! 故に助けを求めた!」
「なんぞわしらなぞにポリ公が」
「この辺りはお前たちヤクザの方が詳しい。違うか?」
こねこ、ニャニャーン!
「……任しとき。なにがあっても探したるけぇのぉ!」
ドア、バン! ザッザッザッザ!
「お前ら、こねこちゃんのお家割り出さんかい!」
「応!」
一帯の大捜索! しかし見つからないお家!
「どういうこっちゃ……」
「なんやさわがしいのぉ」
「お頭! 実はかくかくしかじかで」
「そうか、でこねこちゃんは?」
こねこ、ニャンニャン!
「お嬢!」
「何!?」
「ということは、ここがお家……!」
万事、落着。
「よくぞお嬢を届けてくれた」
「いや、某はただの巡査にて……」
「この恩はいずれ――」
「いや、その必要はない」
「なに――?」
いぬ。拳銃を抜く。
「——ガサ入れじゃ。開けんかい」
こねこ、微笑。真意はいずこに。
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息抜きです。おはようございます。