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千物語 I  作者: 松田 かおる


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サンタクロースはパパ

「ねぇ、サンタさんにはどんなプレゼントをお願いするの?」


毎年クリスマスが近くなると、ママが必ずこれを聞いてくる。

だからぼくは、

「別に、何もないよ」

と答えた。

これはほんとうのこと。

だって、

「サンタなんていないんでしょ?」

ぼくはそうママに言う。

ママはちょっとキョトンとした顔をして、

「どうしてそう思うの?」

と聞いてきたので、

「だって、クラスのみんなが言ってるもん。『サンタなんていない』って」

そう答えた。

「じゃあ、毎年クリスマスには誰がプレゼントをくれるの?」

ママがまた聞いてきたから、ぼくは

「パパでしょ?」

と返した。

「…どうしてそう思うの?」

ママはさらに聞いてくる。

「だってぼく知ってるもん。ママがサンタへの手紙をパパに渡してるのを」

と言ってやった。


そう、ぼくは去年見ちゃったんだ。

クリスマスの前の夜中、ママがぼくの書いたサンタへの手紙をパパに渡しているのを。


「だからパパがサンタの代わりなんでしょ?クラスのみんなもそう言っているもん」

ぼくがママにそう言うと、

「わからないわよ?パパがサンタさんに手紙を渡してくれているかもしれないわよ?」

ママはそう言うけど、

「でも、パパは毎年クリスマスの頃は家に帰ってくるのが夜中ばっかりになっているじゃないか。いつサンタに手紙を渡すのさ」

ぼくもそう言ってやる。

でもママは、

「でも、クリスマスの次の朝、ちゃんとプレゼントもらえているじゃない。それはちゃんとパパがサンタさんに手紙を渡してくれているからでしょ?」

そう言ってくる。

ぼくが返事を返せないでいると、

「だから、サンタさんにお願いの手紙を書こう、ね?」

ママがそう言ってくる。

これ以上言い合いをしてもぼくがママに勝てる訳がないから、

「…わかったよ、書くよ」

そう言ってサンタへの手紙を書いた。



そしてクリスマスの夜。

今年こそはサンタ正体を確かめてやろうと思って、夜遅くまで起きていたのだけれど、途中で眠くなってサンタが来る前に寝ちゃったんだ。

ただ、寝ちゃう瞬間、誰かがぼくの枕元に近寄ってきたような気がしたけれど…




「…寝ちゃったか。残念」

「遅くまでお疲れ様でした。どうせなら最初にしてあげてもよかったんじゃない?」

「そうはいかないさ。『自分の子供だから』って先回しにしたら、えこひいきなんて言われちゃうからね。それに…」

「それに?」

「僕のことを待っている子供たちが世界中にいるからね、早くプレゼントを届けてやらないとさ」

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