表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
千物語 I  作者: 松田 かおる


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

63/100

サポート・バディ

「ご主人様、起床の時間です」

朝7時。

『バディ』が俺を起こしにきた。

「あぁ、ありがとう。今日も正確だね」

「それが私の役目ですから」

『バディ』は俺のその言葉に対して「それが当たり前」であるかのように、特に感情のこもっていない言葉を返した。

まぁ、変に感情がこもっていない方が、こちらとしても扱いやすくて助かるのだが…

所詮は『バディ』なのだから。


『バディ』。

正式名は『サポート・バディ』。

数年前から出回り始めた、何かと忙しい者のために用意された「個人サポート」を役目とした存在。

昔でいうところの「お手伝いさん」のようなものだ。

『バディ』は勤勉で正確な仕事、そして一切余計なことを言ったり考えたりせず、自身に命じられたことだけを忠実にこなす。

『バディ』は比較的安価で手に入れることができるので、中には「仕事用」「家事用」と言った感じで、用途に応じて複数の『バディ』を持っている奴もいる。


最近はそういう連中が増えてきて『バディ』の調達に難儀しているとも聞くが、俺は特にそれほど忙しいわけではないので、「家事用」のバディだけを所持している。

掃除に洗濯、買い出しなどなど。

俺が仕事に行っている間、『バディ』は家の仕事を全て片付けてくれる。

それだけでも俺にとっては大助かりだ。


帰宅後、その日『バディ』がしたことの報告を受ける。

今日は「『ある施設から数年ぶりに出てきた者』が、何の役にも立たなさそうな物を強引に売りに来た」そうだが、「警察を呼んでお引き取り願った」とのことだ。

「そうか、よくやったね」

俺がねぎらいの言葉をかけると、

「ご主人様にそれを買うよう、命令されていませんでしたので」

そんな『バディ』らしい返事が返ってきたが、どことなく言葉の端に「頑張りました」といった雰囲気が少し感じられて、微笑ましい気分になった。


そんなやりとりを交わしているうちに、寝る時間になった。

「じゃあ、そろそろ寝るかな。君もいい感じで切り上げて、明日に備えるように。明日は6時半に起こして」

俺は『バディ』にそう言うと、寝室に向かった。

「かしこまりました。それではおやすみなさいませ、ご主人様」

と、『バディ」は相変わらず感情のこもっていない言葉を返してきた。


…きっと『バディ』は残りの家事を片づけて、今から遅めの食事を摂って明日に備えるんだろうなぁ…


俺はそんなことを考えながら、明日のスケジュールをコピーしながらスリープモードに移行した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ