表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/78

予知夢とデジャブ

「予知夢」とか「デジャブ」って、聞いたことがあるよね?

「夢に見たことが現実に起こったり」とか、「以前体験したことを夢で見る」といったアレのこと。

多分、みんなの中でも結構な人が体験しているんじゃないかな?


でも、僕の場合は他の人のそれとは少し違っていてね。

「夢に見たことが『本当に』なってしまう」んだ。


「予知夢」を見た次の日の朝に目が覚めると、「夢で体験した未来の日」になっている。

「デジャブ」を見た次の日は、「夢に出てきた日」に戻る。

そんなことが起こるようになってしまったんだ。


最初は「夢で見たらそれで終わり」だったのが、いつの頃からなのかは忘れちゃったけど「目が覚めた後も夢に出てきた日にジャンプする」ようになってしまったんだ。

初めて体験した時、何かの間違いかと思ってスマートフォンのカレンダーを見たんだけれど、確かに「夢に出てきた日」になっていたんだよね。


最初は混乱したけど、こういうことが続くと自分自身にも慣れが出てきてさ、そんな生活にも順応していったんだ。

なので今の自分は、「夢を見た日にジャンプする『タイム・トラベラー』」みたいになってしまった…というわけ。


でも、最近ちょっと気になることがあるんだよね。

なんていうか、「夢に出てくる日の振れ幅」が大きくなってきてるみたいでさ。

最初は一日とか二日とかだったんだけど、最近は一か月とか半年とか、どんどん日付の幅が広がってきてるんだよね。


もうこういう生活に慣れているせいか特に違和感はないんだけど、ただこのまま行くと「自分の生まれる前」とか「自分の死ぬ瞬間」とかにジャンプしちゃいそうでね…


でもまぁ、そういう体験なんでまずできないから、ある意味楽しみになってきた感じもするんだよね。


次に行くのは過去か、未来か。

それを考えながら眠りについて夢を見る、そういうのも悪くないかもしれないしね。


じゃあ、僕はそろそろ寝ることにするよ。

どんな夢を見るか、楽しみだなぁ…




「あれ、先生。この患者さん、脳波が少し乱れてません?」

看護師がベッド横のモニターを見ながらそう言うと、

「あぁ、もしかしたら夢でも見ているんじゃないかな?『植物状態になっていても夢は見る』という研究報告もあるみたいだし」

と、隣に立つ医者が答えた。

「どんな夢を見てるんでしょう?」

「さぁ、どんな夢だろう?目が覚めたら聞いてみたいところだねぇ」

医者と看護師はそんな話をしながら、病室から出て行った。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ