水晶魔法と伝説の賢者
ピアテンプル星…
多くの魔法使いが住む星…
教会の白いドアを開けると神父様が出迎えてくれた
「久しいですねお元気にしていましたか?」
「おぉモリー!久しぶりじゃの
わしは大分と、弱ってきたが何とかやっとるよ」
「ミーサさんもお久しぶりです…ほほう新たな魔法を会得されたようですね!」
「え?新たな魔法?」
「水晶の言葉を読むことが出来るのではないですか?」
「これはやはり魔法だったのですか?」
「そうですね水晶に認められたのでしょう、訓練次第では水晶が見たいものを見せてくれるとか…大変難しい魔法なので誰でも会得できるものではないようですよ!」
「ははは…す、凄い事…なんですね」
私とお爺ちゃんはここ数ヵ月で
起こったいろいろな事を神父様にお話した…
最愛さんの事については神父様も本当に心配していてくれた
私達がお願いしていた事もありアカデミーにしばしば出向いて最愛さんの様子を見てくれていた
最愛さんは今は穏やかにアカデミーで勉学に勤しんでいると聞いて安心した
戦場での最愛さんの状況は悲惨なものだったという
医師団なので前戦の戦いに比べればましだと言う人もいたようだが
最愛さんは傷をおった兵士を聖女の力で治療しては再び送り出し精神がおかしくなった兵士を集めて唄を唄っては癒し再び戦場に送り出すを永遠に繰り返したという…
とても恐ろしいことだ
どんなけ辛い事だっただろう
そんな思いとは無関係に最愛さんの力を代償とした味方の連合軍は戦況を有利にしていった
停戦が早かったのは最愛さんのお陰とも言って良い程だった
なので、教会と星の政権の動きは注視する必要はあるようだった…
最愛さんを取り込もうとする団体は教会や星の政権関係者だけではないようだった…
大司教やら教皇の息子の花嫁に
などと言う話まで出てきている
無宗教の私には(無宗教といってもお墓参りや神社に初詣をする一般の日本人)到底訳の分からない話だった
しかも…私も危険な事が起こる可能性もあると神父さまは懸念していた
教会は、いにしえより…"2つの世界を見たもの"を神格化していた
何でもこの世界にこのような近代的な技術をもたらした賢者は異世界から来たという伝説があるらしい
その事は教会関係者でもかなり上の立場の者しか知らない禁忌であるようだったが、モリーさんは今は退いているが昔は大分高い地位にいたので知ることになったらしい
とにかく…これからは最愛さん
だけでなく自分の身も案じていかなければならなくなってしまった…




