スカーフ留めと期待
「い・そ・が・し・い!!」
シトリンとアメジストの襲名講演は、襲名制度初のダブル講演に決定した
1人の襲名講演でも、大変なのに…
何でダブル講演になんて、してしまったんだろう!!
と自分を攻めたとて仕事の量は変わらなかった
ピアテンプル星に行く準備もあるし…
親衛隊長任命…
グッズの打ち合わせもしないとだし…
後は…
これで私が学園長だという事を公にしたら、お偉いさんとの会合まで入ってきてしまうので
お爺ちゃんには、そろそろと言われているが…
それは勘弁してもらっている
ジェムストウン学園の生徒が緊張に包まれていた
「えー今日は襲名ステチュの2人が2年生のレッスンを見学に来るのでいつにもまして気合いを入れるように」
サファイアの襲名ステチュ
『木ノ亜 七海』たっての希望で2年生のレッスンの見学が行われた
それはエマさんに会うためだった…
全てのルームのレッスンを見学し終えた後、学園生達とのディスカッション等が行われた
なかなか会うことが難しい、襲名ステチュとの時間は生徒達にとってとても良い刺激になったようだった…
「さーて、何か甘いものでも食べて帰ろうよ〜?」
「そやね!」
「エマ、エイヴァまって!」
「少しお話しませんか?」
呼び止めたのは、襲名ステチュの2人だった…
「エマ、あなたいつまでナナシやってるつもりなの?」
「……」
「……」
「あー!!変な名前考えたの七海様だったんですか?」
「ちょっとエマちゃん指差さんといて!すみません」
「だってぇ!」
「ごめんなさい!七海もいきなりダメじゃないそんな言い方したら」
「あ…すまない」
サファイアの襲名ステチュ
『木ノ亜 七海』は誰よりも
7人の宝石が揃うことを熱望していた…
それは、『絵本道 最愛』が参加が決定したSAWスーパーアーティストワールドのエントリーの為でもあった
「モタモタしてないで早く覚醒して襲名して欲しいんだ!」
「そんな〜いくらわたしでも、それはよく分からないですよ!」
「ごめんなさい変な言い方しかできなくて、もうちゃんと話して!
「すまない…今日1日エマ見てて凄い才能で襲名してないのが信じられなくて」
「うふふ…わたしもそう思う訳です!」
「エマちゃんまた自分で言うとるわ」
「七海ちゃん早くあれ渡したら」
「え!何ですか?スカーフ留めですか?凄くキレイこんなに高価そうな…もらっていいんですか?」
「少しでも早く一緒の舞台にたって欲しい」
「あ…はい!ありがとうございます…が頑張ります」
「私からもエイヴァちゃんへ」
「うちにもくれるんですか?」
「ええもちろん、先日の密着ドキュメントのレポーター役とっても面白かったわよ!私凄く笑っちゃって…あなたの才能も素晴らしいものよ!胸を張って!」
美しいルビーの埋め込まれたスカーフ留め…
美しいサンストーンが埋め込まれたスカーフ留め…
襲名ステチュが期待をしている後輩にスカーフ留めを送る風習が学園には前からあった、本当に希な事だったが…
それが同時に2人となると…
いよいよなのだろうか…
そんな中、密着ドキュメントを見た人々が、エマさんが襲名していない事に納得がいかないと
署名活動を始めた
大きなうねりが学園を呑み込もうとしていた…




