卒業講演開演
「密着取材じゃと?!」
空には宇宙船が飛び交い、車は透明な試験管みたいな中を走っている
物凄く近未来な感じなんだけど…
日本的な寺や神社なんかもある……ホントに不思議、ホントにごちゃごちゃな世界
前世の世界とは似てるようで全く似てないそんな場所…
このレッドドール星はエンターテイメントに特化した惑星だけれど、私からしたら、何か足りない…もっと身近に、もっと生きる力に、もっとコアに…
なので、この世界ではあり得ないでも、前世では当たり前だった裏側を見せる密着ドキュメントの撮影を提案したのだ
「密着ドキュメント?ですか」
「そう、3年生エースのイザベラさんに是非とも挑戦して欲しいの!」
「はあ…」
「それに密着してもらえば、多くの関係者が側にいてくれるからストーカー対策にもなると思うんだよね!いつもの通りで良いからやってみてくれないかな?」
「分かりました…学園のためにもなるなら」
「もちろん!学園の事を知ってもらえるチャンスだしね」
「えー!み、密着!わ、私が!」
「違うってば!エマちゃんじゃなくてイザベラさんよ」
「あぁ…ですよね〜」
「で、護衛の私達も映るかもだから、ちゃんとするように!」
「ふふふ〜」
「ちょっとエマちゃん変なこと考えないでね!」
「はぁ〜い」
3年生卒業講演…当日
「イザベラさん今日…私達2人で護衛をさせていただきます!よろしくお願いします!」
「イザベラさん、あの、イザベラさんのストーカーさん達はどんな方達なんですか?」
「!!!!」
「何を言い出すのエマちゃん?」
「だって…特長が分かった方が」
「ごめんなさいエマちゃん全然、覚えてないのよ怖くて、あまり見ないようにしてるし」
「そーなんですね」
「もしかしてエマちゃん覚えてるの」
「はい、マーサさんが言うところのストーカーさんですよね?24人位は覚えてます…ニックネームも付けてますし…ハットさんとかウミウシさんとか…マーサさんには、私から話し掛けるなと怒られるんですが、たまに話し込んじゃうんですよね〜ストーカーさん達と」
「…」
「…」
「…ハハハハ、エマちゃんって面白いね…何か1日楽しく頑張れそう!ありがとう(^^)」
「え?はい!」
3年生卒業講演の幕が上がった




