覚醒の条件
「マーサさん、どうしてキャロルさんは襲名ステチュじゃないんでしょうか?」
ソフィアさんの気持ちもは痛いほど分かる…
ソフィアさんの覚醒のきっかけにもなった人だから…
キャロルさんはシルバーシアター所属のブロンドが印象的な素晴らしい歌声を持つステチュで今は歌姫とも呼ばれている
入学当初より、シトリンの襲名は確実視されていた
しかし、在学中、瞳の色は変わることはなかった…
「エマちゃんはいつもキレイにカラーリングしてるね!いつしてるの?」
「えーカラーリングですか?
そいえば入学前にしただけで、もうしてないんですけどねっ元々…赤みがかっていたので…」
「ふ〜ん」
「エマ〜!また勝手に私のプリン食べたやろ!」
「え〜食べてませんよ〜」
「はいはいもう閉めますよ〜帰ってください」
「はぁーい」
「あれキャロルさんもまだ残っていたの?」
「あ!マーサさんもう閉める時間ですか?」
「頑張るね〜もうシアター所属になったのに」
キャロルさんはシアター所属になった今でも時間が取れると学園のレッスン室を使ってボイスレッスン等を遅くまでしている大変な努力家だった
「私…まだ諦めてないんですよ!努力が足りないから瞳の色が変わらないんじゃないかってだから…それに学園長様にも卒業後に覚醒したステチュが昔いたと聞いたこともあったので…」
私はその日からしばらく書庫に籠ることが多くなった…
何か何か…見落としてる事がないかと…
そして数日後…歴代学園長の日記に載っていた一行を見つけた
"瞳ではなく髪の色が宝石の色に変化したと"




