八百万の神と付喪神
日本には八百万の神がいる…
そんな考え方が私は好きだ
そんな日本だから他の国の宗教に対して寛容なのだと思う
「へーこの国には八百万も神様がいるんだ〜」
「八百万というのは沢山の、という総称ですよね」
「そうだね、この国は何にでも神様が宿ると言われているからね」
「ま、まさか、おトイレにも?」
「そうそう!だからおトイレを綺麗にしてると良い事があると言われてるのよ」
「ホントに面白い国ですね〜」
「物も古い物や想いのこもった物には神様が取りついてると言われるし付喪神という神様が」
「付喪神?」
「何か可愛らしいね」
「じゃあのピアノにも付喪神様いるかな?」
「多分居るんじゃないかな…」
「凄く楽しみです何の曲を弾いたら喜んでもらえるでしょうか?」
秘密の扉を使って総理大臣に初めて会った日以来、私はしばしば、今後の方針などを総理と話していた
要は"ほうれんそう"報告、連絡、相談、(実に日本ぽい)だ
そんな中エラールピアノの話をするとトントン拍子に話は進み近く演奏会を開催する事になった
それもこれも最愛さんが『ブラックホワイトレディ』と同じく内外のピアノコンクールに出場し優秀な成績を収めていることがスムーズに事が進む要因となっていた
演奏会の数週間前、私は『ブラックホワイトレディ』の2人と共に中東を訪れていた
あの舞踏大会に出場するためだった
剣の舞…
「もし大会に優勝したら双翼の剣を用いて舞うことが許されるらしいです!!」
「え~と、あなたは?」
「あ、すみません防衛武具学部の浜岡劉備と申します」
浜岡劉備さんは長い歴史を持つ刀鍛冶の家柄で正統な後継者だという
まだ、十代で後継者として認められる事は本当に希なことで、若き天才と呼ばれている
「双翼の剣と言えば幻中の幻!!伝説中の伝説!!その美しき波紋は気を失う程のものとか!是非それを手にして頂きたい!」
しかし、その"双翼の剣"がレプリカであることを知った時には既にその刀をめぐる騒動に巻き込まれていた




