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秘宝

私は鍵を受け取った…

私が"愛される者"ならば

"愛した者"とは誰の事なのだろう…


コンコンコン

「どうぞ」

「失礼します…ん?」

「おぉ賢者様、お忙しい中すみません」


私は、学園長様に呼び出されていた

薔薇の洋館と同じ赤みがかった美しい煉瓦造りの校舎に複雑な気持ちを抱きながら、とぼとぼと向かった

校舎にはジェムストウン学園の名が早々に掲げられている


学園の応接室に入ると何故か水晶店の店主が大荷物を抱え、気まずそうに隅の方に座っていた

私は一礼して学園長様の向かいに座った


「早速ですが今日は折り入って賢者様にお願いがありまして」

「はい…」

「この学園に掛けられた認識無効の結界を解いて頂きたいのです」


「???はぁ〜それはどう言った理由で」

「理由はもうお分かりかと…賢者様がいらっしゃった!本来の主がいらっしゃったのですからもう学園を隠す必要はありません!」

「魔法について承知なのですね?」

「無論、語り継いでおります」

「………解くことは可能だとは思いますが…理解は追い付いてはいません…」


「孫の方から聞いていると思うのですが」

「はい、尾之上さんから聞いてはいますが…余りにも突拍子ない提案にいろいろと半信半疑のままです」

「そうですね…まずは、この学園の成り立ちをお話しさせて頂く必要がありますね」


この学園は元々は天下統一を夢見た人物が生死をさ迷った末に命を取り留め、その後、創られた寺小屋のようなものが発祥だったそうだ

その人物は領民を心から愛しこの世界の安寧を何よりも願っていたという


しかし、病気で道半ばにして倒れその思いを次代の継承者に託したという

水晶に選ばれた継承者に…


「この水晶様は主の元にお返ししたいのです!」

「!!!」

店主が急に喋りだしたので驚いてしまった

「なんだか水晶様の様子がおかしくて、もう私共が預かるのは限界かと!!」


「継承者でもある賢者様に是非、受け取って頂きたいのです」

「???継承者というのは決定なのでしょうかね?」


「勿論!私共は力を持った水晶の化身とも言われる主が現れるまでの守り人の様な者に過ぎません!賢者様の瞳は紛れもなく水晶の輝きです」

「なので、一族の秘宝は賢者様が持つべきです」


「ちょちょちょっと待ってください急にそんな盗まれたらどうするんですか!この学園の地下とかに無いんですか?祀る祠みたいな…」


「おぉ良くご存じで!確かに地下に向かう扉がございます!誰も開ける事が出来ませんが」

ん〜あの鍵とかなのかっ…


もしかして"愛した者"とはあの戦国時代の武将の事なだろうか…だとしたら、あの武将も2つの世界を見た者なのだろうか…









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