街が綺麗な理由を知りたい
「なぜ街がこんなに綺麗なんですか?ゴミ箱も殆ど無いのに…」
「裸足で歩いても大丈夫そう!」
「どうして~?」
今日は3人に地味めの服を着せ、帽子も被ってもらい外へ出た
そのお陰か、何とか普通に、こちらの世界を観光することが出来ていた
「まるで初めて日本に来た外国人みたいな事を言ってるねふふふ」
まぁ、3人共、外国人には違いないか
3人は町並みや自動販売機の他に礼儀正しい人々にも、興味津々で、興奮気味になぜ?どうして?あれは何?を連発していた
とても楽しそうで、私も嬉しくなった
「ミーサさん!こちらの世界のステチュ…アイドルでしたね、是非とも見てみたいです」
「そうだねチケットってどうやってとるんだっけな?」
転移前、何度かいろいろなコンサートや講演に行ったことはあったけれど、ここ数十年離れていたのですっかり、忘れていた
その後、何とかチケットを購入し王道アイドルの講演を見に行く事になった
3人がどんな反応をするかとっても楽しみだった
そして、私自身がどうしても行ってみたい街もあった!
そこは宝石のまちと呼ばれていた
その町は宝石の加工も有名で宝石の専門学校もあるそうだ
大きな水晶も見れる場所もあるようだし、ジェムストウン学園という宝石とは切っても切れない場所に身を置く関係者としては是非とも訪れたいと思っていた
この世界に来てから数日、3人はすっかりアイドル、アーティストの講演やコンサート、そして、歌劇にもはまってしまい、なかなかの回数見に行っていた
「アンドレ~アンドレ~」
「オスカル!!!」
「パンが無ければお菓子を食べればいいのに!」
「あれあれ、すっかり覚えちゃったんだね!」
私達は歌劇を見た後、しばし公園でのんびりと感想を言い合いながら、休んでいた
「当たり前でさ~!襲名レディステチュをなめてもらっちゃ~あ困りヤス!」
「あれ?時代劇も見たの?」
凄く楽しそうで微笑ましいのだけれど、気がつくと周りに人が集まって来ていた
どうやらSNSで3人の写真や動画が拡散されちょっとした捜索が始まってしまっていたらしい
「3人共そろそろ〜行かないと〜」
「♪♪♪〜♪♪♪〜♪♪♪♪〜」
「あ!まずい歌を歌ったりしたらダメだよ〜!!!」
3人の歌声はこの世界でも伝説級で有ることをまた予想できずに油断していた私を誰か叱ってやって下さい(涙)
私は、必死に3人の腕をつかんでその公園を後にしたが…




