油断大敵
ティーンエイジャーが大喜びする場所と言えば、やっぱりここ原宿ですよね〜
絶対に3人とも喜ぶと思いバッチリお洒落をさせて意気込んでやってきたのだが…
「すみません!お時間よろしいですか?お母様ですよね?お嬢様方は事務所に所属とかされていますか?」
「…………………」
何人目だろう、こんな感じで呼び止められて、私に名刺を渡してくる人で列ができてしまっている感じ!全然、前に進めない…
「てか、写真とか動画とかやめてくださ~い」
「何あの子達!めちゃめちゃ可愛い!!」
「え?何かの撮影かな〜」
「写メ撮っちゃお!」
3人共、凄い数のスマホを向けられてしまっている
こ、これはまずい…
ゆ、油断しました
ダイヤさん…いや最愛さん『絵本道最愛』(エモトジ モア)はともかく、ミサマサコンビいや愛李夜さん『弓 愛李夜』(ユミアリヤ)、絵琉さん『波花 絵琉』(ナミハナ エル)が付いてきてしまったのは計算外というか…
「私らも行きたいです異世界!!」
「!!!???どう言う事?」
「すみません!ステチュになる事に急に真剣になった理由を知りたい!教えないと絶交と言われて…」
ん~流石に、ゴスロリ、アマロリ、平成の制服風ファッションの3人で歩いたら目立ちましたか!
でも原宿と言えば今や、世界でも有名なジャパニーズカルチャーの中心地、個性的で可愛い子達が山ほどいるんじゃないの?
多少目立っても大丈夫って思うじゃん!
お洒落させ過ぎた?
そんな私の焦りを尻目に、何なのこの3人の余裕!
ニコニコ撮影されてるし…(ファンさなれ?)
「お婆様…私らってこちらの世界では有名じゃないと言ってましたよね?」
「誰も知らないと言ってませんでした?」
「なぜ皆さんキラキラ笑顔で見てくるのですか?」
「はは~やっちまったかな?…とりあえず帰ろう」
「え~まだクレープ?食べてないですよ!」
「可愛いショップが沢山あるのに~」
「そうですね一旦、戻りましょう」
「ハァーそれにしても賢者様のお家は機能的で素敵ですね」
「コンパクトでね~」
「魔法道具みたいな物も沢山あるし」
「はは~そ、そう?」
初めてきた時、お手伝いの方の控え室ですか?とか言ってなかった?
私…気を遣われてる?
なんだかんだ言っても、3人共、お嬢様ですもんね
「ってか、賢者様とかお婆様はおかしいから、違う呼び方にしないとね」
「何て呼びますか?」
「ミーサさんにしますかね」
「そうだねミーサも襲名したので、紛らわしくないしね」
その日は、この世界にビックリしっぱなしだった3人も初めてのお布団に興奮しつつ疲れたのかすぐに眠ってしまった
 




