血は争えないのか
「え〜言ったじゃないですか」
「え?」
「産まれてきた時この子の目を見て!この子は絶対にダイヤモンドを襲名する!って思ったと」
「それは、予感であって…」
「ん?予感っていうか瞳の色がダイヤモンドに変わった訳ですよ!」
「???!!!」
どうやら、ダイヤちゃんはエマさん同様、産まれてすぐ覚醒していたらしい(血は争えない)
しかし、エマさんの旦那様はその事をあまり良しとしなかったらしく、一旦、魔法で瞳の上に違う色のベールをし隠すことにしたらしい
隠しきれてないような気もするのだが、ダイヤと名付けた事で結果的には本当の事が見えなくなって上手く隠せていたようだ
そして今日、大きな状況の変化があったのでエマさんと旦那様が話がしたいと訪ねて来たのだ
「ゆっくりお話しするのは初めてでしたねエマがいつもお世話になっております」
「こちらこそエマさんにはいろいろと…」
「ご迷惑ばかりかけていますよね?」
「もう〜そんなことないのに」
「前々から賢者様とはゆっくりとお話しをしたいと思っていましたが私は使われることが多い身でして、なかなか機会を得ることが出来ず残念な思いをしておりました」
「私もお話ししてみたいと思っていましたよ」
「何と光栄な!ありがたいお言葉!お言葉に甘えまして早速ですが我が家の先祖が原初の賢者だと言い伝えられていることはご存じでしょうか?」
「はい…もちろん知っています」
「その事で難しい問題が多々ありまして…今日こうして賢者様にお会いする事も簡単ではなく…」
「はっきり言ってくれて良いですよ」
「大変失礼な言い方ですが…私共の一族には賢者様を賢者様と認めないという考えの者も少なくなく…」
賢者の末裔である方々にとっては私のような、ポッと出が突然、賢者様などと祭り上げられてしまったことは、気持ちの良いものでは無かったのだろうと想像はついた
「無論、私はエマから話を聞いていましたのでミーサ様が本物であることはずっと前から分かってはいました」
本物の定義が私には分からないのだが…
「で、今日こちらに伺ったのは、ダイヤの事です」
「ダイヤちゃんがどうされましたか?」
「襲名ステチュになって異世界に行くのだと言い出しまして」
「???」
「私達もビックリしたんですよ!賢者様なら何か理由が分かるかと思いまして」
ダイヤちゃんは私と話したあの日に突然そんな事を2人に言ったようだ!
しかし、森の地下に異世界への扉が出来たことは話していないのに…
私がとまどった素振りを見せると2人は信じられない事を私に打ち明けた
「どうやらダイヤは他人の心が読めるようなんです」




