愛と平和とミュージカル
「全宇宙ツアーは意味を持った講演にしたいよね」
「そうやね…それには新たな物語が必要やね」
「やっぱり賢者様に何かシナリオを書いてもらうのが良いかも」
かなり前から琴鳥さんや瑠々子さんから新たなミュージカルのシナリオを書いて欲しいとお願いされていた
今や『キャンアイプロミス騎士』は只のステチュではなくなっている
英雄…戦神…救世主…etc.
何だかんだで世界平和の象徴となっていた
はぁっ!と気が付いたらそんな事になってしまっていたので私としては未だに戸惑った状態だった
"平和の伝道師"という新たな役割が出来たのだ
「仕方ありませんよ!戦争を終わらせた事に間違いは無いのですから」
「ソフィア〜分かっているよ…分かっているけどハードル上がりすぎてない?」
「何ですか?ハードル?って」
「ふ~もう、あれですね、あれを繰り出すしかないわ」
「?」
転移前の世界で私にとっての古典とも言えるアニメの作品と言えばやっぱり、あのお髭の巨匠の数々の作品…
恐れながらその中の私の1番好きな作品をオマージュさせて頂きたい
ヒロインの強く美しい姿は琴鳥さんにピッタリだと常々思っていたのだ
空を飛ぶシーンは魔方陣での浮遊が使えるので見てる人を驚かせ見ごたえのある演出になるだろう
「このシナリオは私の元いた国の作品をミュージカルにアレンジしたものです」
「す、素晴らしいです!!」
「本当に賢者様の故郷の芸術は考えられない程のクオリティーで驚きます」
「グスングスン…涙と鼻水でぐちゃぐちゃです」
「きっと全宇宙の人達に愛と平和がどれだけ大切なことか分かってもらえると思います」
愛と平和…転移前ならあまりにも安易なテーマでボツになってしまいそうだが、こちらの世界ではまだまだそれが新鮮なテーマだった
全宇宙ツアーの為の準備やホログラム局運営で多忙を極めていた時に星王様から招待状が届いた…
そこで私達は専用の宇宙船を贈られることになった!
「宇宙船?!それって貰える物なの?」
「是非、先の戦いの報奨の一つと思って全宇宙ツアーに役立てて欲しいとの事です」
私達は専用機で全宇宙ツアーに向かうこととなった
しかしその前にティアラシアターでの開幕講演を華やかに打ち上げなければならない




