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新たな美野谷蛍と一人芝居

「まったくホントに飽きもせず毎日毎日…」

ハーパーさんは憤慨していた!

アメジストの特性なのか、いつの時代もタチの悪いカラットが多いのはアメジストカラットだった一歩間違えるとストーカー認定が月に数名出てしまう程…


美野谷蛍さん(レリーラさん)は女性の私から見ても、ポォーとなってしまうくらい強い色気があり、またどんな役も演じ分けてしまう抜群の演技力を持っていた

そのせい?というのかどうなのか男性人気は異常とも言えた…


いわゆるガチ恋勢が多いのだ!

その為、ハーパーさんはそれらのカラット達の対応に多くの時間を費やしていた

「ミーサさん何とかしてくださいよ!これじゃ私、自分の仕事、殆ど出来ませんよ!」

「…どうしたもんか」


そんな私とハーパーさんの心配をよそに蛍さんは…

「どうして男性にモテちゃダメなんですか?とっても嬉しい事だから私、益々頑張りますよ」

男性人気を獲得するための努力を惜しむ様子は見られなかった


「ハーパーさん!どうして私だけ握手会に参加してはいけないのですか?」

「ちょっとこのところのアメカラは目に余るのよね!だからよ!」

「そんな〜大丈夫ですよ!私、強くなりましたし」


「そういう問題じゃないのよね…蛍さんも心配だけどアメカラに犯罪者になって欲しくないのよ!」

「だから大丈夫ですってミーサさんに結界の張り方も教わりましたし!どんどん魅了していきますよ!」


そんな潔い姿勢(前の世界でいうあざとさ)は意外にもごく一部の女性人気も獲得していき過激派まで出てきてしまっていた


ハーパーさんから相談を受ける回数が多くなり、いよいよ何かしないといけないと思って考えた末、私は1本の一人芝居の脚本を書き上げた


解決法にはなっていのは分かっているのだけれど、握手会の代替え案的な意味合いで蛍さんに演じてもらおうと思った


しかし、それが結果的に状況をある程度、落ち着かせる事になったのはアメジストカラット達の愛がけして盲目なだけでは無かったと思えた


一人芝居の題材は14人の人格をもつ多重人格者の女性が自分という1人の人格に統合されるまでの物語で大変難しい役だった

しかし、蛍さんの恐ろしくも儚いリアリティーのある演技はアメジストカラットは勿論、様々な人の心を動かした


何を隠そう脚本を書いた私もその1人だった…何故か分からないがその一人芝居は自分自身だと感じた

私と同じように感じたカラットは少なくなかったようだった


そして蛍さんの元にあるカラットから一通のカラットレターが届いた

"蛍様へ

蛍様が、ただの人間だった事に気づきました…なので僕は貴女のカラットを辞めようと思います"


その送り主は悪質な付きまといをしていたストーカーと思われた

その手紙の真意は分からなかったが、分からないのが普通なのかとりあえず、付きまといは無くなりハーパーさんの仕事は少し楽にはなった


しかし、まったく無くなった訳でもなくこれからも注意は必要ではあった

蛍さんは今も握手会に参加をしたいとハーパーさんに懇願を続けているが了承は得られていない…










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