戦争よりも儲かる仕事
宇宙船の中から見たレッドドール星は本当に美しく私とルナさんが張った結界はしっかりと星全体を包んでキラキラと輝いていた…
そしてレッドドール星に着くと…
星中の桃の花と桜の花が満開に咲き誇っていた!
「帰ってきたんだなぁ」
季節はもう春になっていた…
ジェムストウン学園に向かう道には多くの出迎えの人々が戦勝の旗を振って待っていてくれた!その光景を見て
あぁ…終わったんだなと今更ながら実感が沸いてきた…
そこから数週間、星政府関係者や皇族との面会、表彰、祝勝会いろいろな関係の代表者達との会談など目の回るような忙しさだった!
今や私と7人は戦争を止めた功労者として要人のように扱われるようになってしまった…
「お母様、大丈夫ですか?少しお休みになった方が…」
「大丈夫、少し落ち着いてきたから、やっと7人の襲名講演の事を考えられる!嬉しくて休んでいられないよふふ」
「その事なんですが、かなりの数の惑星から講演を希望する声が出ています!なので襲名講演を全宇宙ツアーとしても良いかと」
「そっかそうなるとソフィアの時以来の全宇宙ツアーだね」
「それと…SAWからキャンアイプロミス騎士が招待を受けました!!」
「え!!まだキャンアイプロミス騎士としての活動は正式には始まってないのに!」
SAWは世界を目指すものなら必ず出場を熱望する夢の舞台!!
優勝者には賞金や商号はもちろん全惑星にフリーで滞在、住居出来る権利も与えられる
通常は実績などを判断する厳しい審査があるのでエントリーすること自体が難しいとされているが本当に希に予選免除の招待を受けることがある
その由緒あるコンテストの招待者が発表されるのはソフィア以来、数年振りの事だった!
しかし、7人はSAWの招待を辞退するという前代未聞の決断をした
その理由に副賞でもあるいわゆるフリーパスは戦争を止めた功労者として既に手にしているからだろう…などと囁かれたが
コンテストに時間を割くよりも、いろいろな場所に行って1人でも多くの人達に歌と躍りを届けたいという7人の強い意思を尊重したものだった
その思いは権威を前にしても霞むことは無かった!
全宇宙に平和が訪れた事で軍事国家ブラッドフラム星改めてブラッドフラム星など戦争によって大きな利益を得ていた星は死活問題となっていた
そこで数年前に発足したジェムストウン商事はブラッドフラム星にグッズ商品の開発制作部門設置と工場建設を検討し始めた
技術の流失を懸念する声はあったが全宇宙の平和の継続の為には戦争よりも儲かる仕事が有ることを知らしめないといけない
星連の方からも協力体制を整えると積極的な回答が来ていた
というより…私に星連の会長就任を強く要請してきたのだ!
裏学園長になってこっそり少女達の成長を見守るつもりが大変なことになってしまった!




