自分の為に歌うということ
教会は海の見える丘に建っていてまるで絵本に出てきそうな可愛らしい風景を作り出している…
いつ訪れても心が暖かくなる…
そんな思いを巡らせていると…
潮風に乗って美しい歌声が聞こえてきた!
「え!え!」
「凄い綺麗な歌声が聞こえるよ〜」
「誰々?」
「まさか!!」
教会の白いドアを開けると桃の花びらが押し寄せるように舞い散ったように見えた!
「ミーサさんお久しぶりです元気でしたか?」
シトリンの襲名ステチュ
元『奈胡上 美音』キャロルさん
が神々しいまでの笑顔で出迎えてくれた
エリーさんの事を相談したら何か出来る事があればと来てくれたのだった
キャロルさんは襲名ステチュを森の地下に還した後、全宇宙を周りゴスペル、讃美歌、民族音楽などあらゆる音楽を会得していた
その後、音楽家としてボランティアでいろいろな場所に行き音楽の素晴らしさを伝えたり子供達に指導したりしている
生徒達には言ってなかったので
びっくりを通り越して固まっていた!
「皆さんこんにちわ!ゴスペルを一緒に歌いませんか?」
「!!!」
「えー」
「はっはい!」
私は座ってしばらくキャロルさんと7人のレディステチュ達が
謳っているのを聴いていた
今現在…戦争が起こっているなんて信じられないほど平和で美しい旋律…
その日は教会の敷地内にある宿泊施設に泊めてもらい明日のミサに皆でゴスペルを歌ってもらおうと思っていたキャロルさんも一緒に…
「眠れないのですか?」
「あ!キャロル様…」
「エリーさんの歌声素晴らしいですね」
「有難うございます…でも私の歌声で体調を崩す人もいるんです…」
「浄化の力が強すぎるのでしょうね」
教会の美しく光る水晶の前で2人はゆっくりと会話を始めた
この教会の水晶は学園の森の地下にある水晶と姉妹水晶らしい…
シトリンのオーラを持つ2人だからなのか水晶の光は優しく暖かく2人を包んでいた…
「エリーさんは誰のために歌を歌っていますか?」
「え?誰のため?ですか…」
「他の人の為だけでなく自分の為にも歌っていますか?」
「………」
「聖職者の元で育つと他の人の為にばかりで自分の為、自分が楽しく幸せであるために歌う事を忘れてしまいがちです私はエリーさんの歌をそう感じました」
「確かに…誰かのため目の前の人を笑顔にするため楽しませるためという思いばかりで…」
「歌って聴かせて!今…」
「???」
「好きな歌を好きなように」
「え?あ…でも…」
「ふふふ…もしここに私のかつてのメンバーのエマがいたら怒ってるだろうな〜
"自分の事を幸せだって思わないのにカラットさん達が幸せって思うわけないじゃん"とか言ってプンプン怒るんだろうな〜ステチュは自分が幸せそうな姿、頑張っている姿をカラットさん達に応援してもらうものだって!とか言って」
「……分かりましたじゃ私の1番大好きな歌を歌います!聴いて下さい!」
♪君の声を初めて聞いたのは
桃の花びらが舞い散る季節
心臓の鼓動が激しく鳴った〜
……………………♪曲:僕のMyステチュ
教会と教会の周りを不思議な力が包んでいたった…
私も他の6人も夜風に乗って心地よいメロディーが運ばれてきたのを聴いた…
「パチパチパチパチ…」
明日は日曜日ミサがある…
訪れる信者の方達に歌を聴いてもらおう…
7人の今の歌を…




