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憧れの代償

アミカさんのお家は学園の目と鼻の先にあって綺麗に手入れされた小さな庭が可愛らしい暖かい雰囲気のお家だった


アミカさんはお母様似なんだろうなとすぐ分かる程2人は似ていた…


「すみません…わざわざ送って頂いて、ご迷惑おかけしました…」

「いえこちらこそ申し訳ありませんアミカさんが体調を崩してしまったのは学園に責任があります」


「いえ違うんです…アミカは多分…遅かれ早かれこのようになるかもと思っておりました…しかし無理をさせてしまいました」

「何かお話しして頂ける事がありますか?」


「はい…もっと早くお話しすべきでした…

アミカの出産の日の事です…アミカは本当はあの日、命を落とすはずでした」


「どういう事ですか?」

「アミカの心臓が産まれて直ぐに動いていないことを知らされたアミカの亡くなった父、私の夫は自分の寿命の半分を差し出し悪魔と契約をしました…」


アミカさんはその事を知り早くに父が亡くなってしまったのは自分のせいだとずっと

自分を責めていたらしい


そしていつしか…ごく稀に背中に天使の羽根の様な物がある人が見えるようになっていったそうだ…


しかも自分だけに見えているようで何だか胸騒ぎがしていた時に偶然、天使の羽根をもつ人達、天使族が居ることを知るようになったそうだ


かつて起こった"天使と悪魔対戦"それは人間界の支配権を争う戦いだったその戦いは苛烈を極め両方の数を劇的に減らしてしまった


辛くも天使族が勝利したが瀕死であことに違いは無かった

悪魔族は撤退し次の機会を伺い天使族は人間界に隠れるように溶け込んだ魔族は隠れた天使族を探すための力だけは執念で残したと言われているそうだ


アミカさんは自分の命が悪魔と取引した力で取り留めたため敵対する天使が見分けられるようになったと思い込んでいたそうだ…


お母様はその真意は分からなかったためアミカさんを安心させる事は出来なかったと涙ながらに話してくれた


そんな事があるのだろうか?悪魔と取り引きしたのはアミカさんのお父様なのに…


アミカさんはステチュに憧れ続けながらもそんな自分には相応しくないと思うように

なってしまったようだ…


しかし、アミカさんの悲しみを小さな天使2人が救う事となる…


「わぁー天使の羽根だー!!」

「本当だー綺麗だね!!」

「どうしたの?マーサ、ミーサ羽根?」


数日後、マーサとミーサはソフィアと一緒にアミカさんの家に様子を見に来ていた庭

で遊んだり折り紙をしたりして待っていた…


「あのおねいちゃんの背中に私達と同じ天使みたいな羽根あるよ〜」

「キレイだね〜」

「ホントだね〜」

「わ〜」

「わ〜」


走り去る天使のような2人にアミカさんはあの子達にも羽根があると呟いた…


そういえばソフィアが夫で行商人のイーサンが天使族の血を引いているかもという話を聞いたばかりだった…


「私の背に天使の羽根が…」


アミカさんに天使の羽根が見えたのはアミカさん自身も知らずに天使族の血を引いて

いたからだろうか…


天使同士は身を守るため相手に羽根が見えても決して言わないという習慣を親から教わるようだ…


もしかしたらアミカさんに羽根がある事に気付いた生徒もいたかも知れない















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