なんのために生まれて
「聖女ソフィア、賢者ミーサ良く来てくれた!早速だがお二方に合同演習を提案したい!」
軍の要塞内を案内された後、軍の最高司令官ニコライ司令官様に突然そんな提案をされた!
学園の魔法講義での実技視察は軍内部でもいろいろと、すっ飛ばしてそんな事になってしまうくらい評判になってしまっていた!
「ですが司令官様、まだ学生の少女達と選り抜きの騎士様と合同演習とはあまりにも…あまりにも唐突で信じられない提案で…」
ソフィアが至極全うな問いかけをしたけれど…
「そういった面倒な建前で話すのは止めにしないか?そちらの生徒の実力が桁違いで有る事、既に把握済だ!」
ぐぬぬ…
「それにしても、お二方…是非手合わせ願いたい程の覇気ですな」
「え!!」
「ご冗談はともかく、では遠慮無く言わせて頂きますが騎士様方に恥をかかせたく有りませんのでそのような提案はお断りさせて頂きます!」
「残念ながら断ることは無理なのだ!なぜなら皇族と星政府の命令である!どうしても攻撃魔法の対策をしておかねばならんのだ!我が星は魔法使いとの戦闘を苦手としているのでな!」
じゃ最初から提案とか言わないでよ!
「ふ〜最高司令官様、分かりました!しかし、承知して頂きたいことがございます!
私は自衛のみという考えを持っております」
「おぉ賢者様は戦争反対論者でおられたな!しかし、戦わないとなると軍は仕事が殆ど無くなってしまうぞ!今さら行商人にでもなれとおっしゃるのか!わっははは」
他の軍人達もニヤニヤ笑った
「最高司令官様…人は、なんのために生まれてくるか分かりますか?」
「なにを急に哲学か何かかな?」
「お分かりになっていないようですね!私もです!でも私はわからないままおわるのは嫌なんです」
その時、私は転移前のあの誰もが1度は通るお腹がすいた人に自分の顔を食べさせるアニメのテーマソングが頭の中に流れ始めていた
そして、司令官に向かって問いかけていた!
司令官のあまりにも幼稚な言葉に頭にきすぎて呆れて相手というより自分に言い聞かせていたような気がする
日々しっかりと考える人間になろうと…
守ることのみに…
嫌な気持ちを残したまま要塞を後にした




