第四話
「ふぅー…………」
運転の疲れから横になるB樹。
「予想外に遠かったけど、良いところっぽくね……」
座椅子にもたれ掛かり、足を伸ばした、だらしない格好のD二──イソギンチャクD二。勿論、本名だ──が、煙草を吹かす。
D二については、これといって特徴のない、けど不満だけは一丁前。お金にも然して困ってはおらず、しかも腹立たしいことに大体の事は卒なくこなす器用貧乏の最底辺便所虫だ。
「そういえば、A太郎? どうして此処にしようと思ったんだ?」
景色が見える窓際の椅子を陣取るC人。
「…………フヒヒ……コレ」
C人の対面にテーブルを挟んで座るA太郎が以前の旅行雑誌とは別の雑誌をおもむろに取り出す。
「何これ?」
「………………フヒヒ」
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「よーし行っちゃうぞ!」
「「「「「バカヤロー!!」」」」」
B樹の掛け声に合わせて、気合いを入れる僕たち。
ナイトーマートで呪獄村限定『スターダストコーヒー』『ジーニアスカフェラテ』『デスティーノキャラメル・マキアート』栄養ドリンクの『カブロンD』を各々に購入した僕たち──一人だけ「さっき水飲んだから」と空気を読まない守銭奴クソ野郎はさておき──は、
『呪獄村アゲアゲ☆ムラムラ村おこし!ヒミツ《封印》を解いて、賞品をもらおう!!』に意気込むのだった。