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6話 後輩は先輩をデートに連れ出す②

後輩は先輩をデートに連れ出しますが、まだまだ前途多難です。

続きます。


※感想ありがとうございます

ひとまずは先輩とお出かけになったのは嬉しいけど・・・

デートを断ってくるとは思ってなかった!!予想外だよ!!!


いいもん!私だけでもデートにしちゃうし!!!付いて来てもらうだけで実際はデートだもん!!

そうだ先輩に予定をメールしとかないとね!


予定決めないで動いたらデートとか言われちゃって帰られても嫌だし!!!

でもお昼ごはんは一緒にしたいなあ・・・それくらいは付き合ってほしいなあ・・・



デートではなく、買い物の付き添いで納得してもらった金曜の夜、

約束通り箕輪さんからメールが届いた。内容は日曜日に行きたい所と買う予定の物が書かれていた。


へぇ、ちゃんと予定立てて動くんだねえ、箕輪さんこういうところしっかりしてるんだなあ。


えーっと

練習用のランニングシューズ、夏物の洋服がメインね。

行く場所は・・・隣町の駅直結のショッピングモールか。


あのショッピングモールもしばらく行ってないなあ。あの時ぶりになるのか・・・

正直、あまり行きたくないが、あの店じゃなければ大丈夫だろう。


もしそこに行くなら、僕が理由をつけて避ければいいだけだ。


『お昼過ぎると思うのでお昼ごはんは一緒でお願いします』か・・・

お腹減って帰らすのもかわいそうだな。仕方ないそれはOKにしようか。


メールを開き、『詳細解りました、当日よろしくお願いします』と返信しておいた。



土曜日の部活は気合いが入りすぎて色々空回りしちゃって散々だった。

走ってて靴紐は切れるし・・・何かの予兆じゃないよね?!


それでも次の日のお出かけを思い出す度ニヤニヤしてたようで、佐藤先輩にもバレていた。


「まるで恋する女の子ですねえ。明日部活お休みですし、どこかお出かけですか?」

「は、はい。日下先輩とお買い物に行く予定です!」


「ああ、あなたとまだお付き合いされてない方ですね。デートですか。告白とかするんですか?」

「い、いや、あの、そこまでは・・・あとデートじゃないので・・・」


「あら、2人でお出かけってデートですよねえ?」

「そ、そうなんですけど、日下先輩にデートは断ると言われちゃって・・・」


「あら・・・あの方も何かあるようですねえ・・・でもまあ楽しんでらっしゃい」

「はい、ありがとうございます!」


「今度見学に来られた時に色々伺いますので」

「え、えーっと・・・・」


ふふっと佐藤先輩は何か分ったような感じで微笑んだ。



日曜日。

10時に学校最寄り駅で待ち合わせ。今日は電車に乗って待ち合わせの駅に向かう。


9時半少し前に駅に着いたら反対側ホームにすでホームの待合室のシートに座っているのが見えた。

まだ僕に気がついてる様子はないけど、箕輪さん、やっぱりデートのつもりで来てるなあ。


薄く化粧してるし、ピンクのリップに薄いピンクのワンピースが似合ってる。

気合い入ってるのがわかってしまう。


箕輪さんは周りを見渡した後にふぅと息を吐き、思い出したようにニコニコしてる。

あの笑顔はすごい可愛い。


箕輪さんと目があった。途端にものすごい笑顔で手を振って来た。

僕はそちら側のホームに行くよ、と指で合図し、反対側ホームに向かった。


「おはよう、早いね、待ち合わせ時間までまだ30分以上前だよ」

「おはようございます!!!先輩とお出かけなので、待ち切れなくて早く来ちゃいました!!!」


今日も満面の笑顔だ。デートで来てたらその笑顔で惚れてるね。


「先輩だって早く来てるじゃないですか!!私とお出かけ、そんなに楽しみでしたか?」

「待たせたら悪いと思ってるから早めに来るよ。今日はただの荷物持ちだよ。そこまではないな」


「またまたー!!こんな可愛い子と一緒ですよ?」

また自分で可愛いって言ってるし。いや、今日は可愛いけど。


「せっかく気合い入れてもらってる所悪いけど、箕輪さん。デートはしないとあれほど言ったよね」

「先輩、分かってます!!今日はお買い物に付き合ってもらうだけです!」


「そうは言っても、その格好はどう見ても・・・僕の服装見てみなよ、さすがにバランスおかしいから帰っていいですか」


僕は黒い長袖シャツにジーンズという格好で来ていた。


「先輩似合ってますし何も問題無いです!!それにここまで来てそれは駄目です!さ、行きますよ!」

「お、おい」


僕を逃がさないと彼女の柔らかい右手が僕の左手を掴んだ。

くるりと反対方向へ向き、そのまま僕をホームの待合室まで引っ張って行って並んでシートに座る。


「なあ、そんなに顔赤くするぐらいなら手掴まないで良かったんじゃ。。。」

「だって先輩、掴まえておかないと帰っちゃうでしょ!!!」


「わかったわかった。今日はちゃんと付き合うからひとまず手を離してくれないか」

ほっとした顔をした箕輪さんは手を離してくれた。



しばらくして来た電車に2人で乗り、隣町のターミナル駅に着いた。

改札出てすぐショッピングモールになっており、僕らの地元で買い物といえばここが多い。


「さてどこからいくのかな」

「はい!!まずスポーツショップに行きたいです!!」

「OK、ついて行くから先に行って」


箕輪さんがランニングシューズを見比べている。

「先輩は何色が好きですか?」

「そうだなあ、赤かな。赤と黒のツートンカラーとか格好よくて好きだね」


「じゃこれどうです?」

「そりゃ僕の好みだけど使うのは箕輪さんなんだからちゃんと選んでね」


「うん、これにします!先輩に判ってもらいたいのでこれがいいです!!」

「いいのかそんな選び方で」

「大丈夫です!」


会計を済ませ店を出て、買ったばかりの袋を預かる。

「持つよ。そのために来てるから」

「あ、ありがとうございます!」


箕輪さん超ご機嫌。またあの破壊力の高い笑顔が出てる。今や凶器だねあれは。

箕輪さんに見とれた彼氏が彼女に睨まれてたり、不機嫌になってるカップルが1つ2つあったが、

本人の自覚ないからタチが悪い



「次はこっちです!」

「お嬢様のお好きなままに」

あまりにご機嫌なのでちょっとからかったが、気にもしてない様子だ。


「えーっと、今ここだから・・・あ、こっちです!」

スマホとショッピングモールの案内板を見比べてお店を探している。


「ここです、ここ!」

いわゆるブティックと呼ばれるお店に来た。学生より大人向けのお店のようだ。


女性向けのお店だし、僕は入りにくいから近くで待ってる事にしようと、

「僕はここで待ってるから行って来て」

と言ったら、


「何言ってるんですか!先輩も一緒に入るんですよ!」

「はい?何故に?」


「いいから一緒に来てください!!」

また手を掴まれてお店に引っ張られていった。



「先輩、こんなのどうです?」

「いや、似合ってると思うよ。スカートがちょっと短い気もするけど」


「ふむふむ、こういうのも好きと」

「いや、似合ってればいいんじゃないか」

「じゃ、次です!」


試着室の前でファッションショーを延々見せられていた。

店の人の生暖かい視線がすごい気まずい。居心地悪すぎてこのまま置いて帰ってやろうかと思ってきた。実際には初々しいカップルだと思われていたらしいが前提が間違っている。


「先輩、これで最後です。これはどうですか?」

ふぅ、やっと終わりか。1時間以上延々と見せられてさすがに疲れたよ。


「それも似合ってるよ。ロングスカートはこれからは暑くないのか」

「比較的薄い生地で涼しいですよ。エアコン効きすぎの所とか行く時はこんな感じですよ!」


「そうか。で、どれ買うんだ?」

「先輩はどれが良かったです?」


上目遣いでニヤッとして聞いてきた。


「どれも似合ってたし、好きなのでいいんじゃないか」

「そういう答えじゃないんです!!!先輩のお気に入りを聞きたいんです!!!」


あら、ちょっとご機嫌ナナメだ。でも、どれと言われてもなあ。


「ミニスカートのが良かったんじゃないか」

「ふーん、先輩えっちですね」


「もうなんでもいいから決めてくれ」

そろそろ限界に近かったので早く店を出たかった。


「じゃこれ買ってきます!!!」

「じゃ店の外で待ってる」


ふぅ、やっと解放された。一人で店を出る時の店員の目線が優しかったのが救いだ。



店向かいの壁沿いにある椅子に座って待っていたら不意に声をかけられた。

「あら。確か日下君・・・だっけ」

「あっ・・・お久しぶりです・・・」


ここで一番会いたくない人に会ってしまった。



先輩もやっぱり男の子だった!ミニスカート選ぶなんて!!

ちょっと高かったけど次のデートはこれ着て行くもんね!!!


ニコニコと会計してたら、店の人に、

「さっきの彼氏好みの服ですか?いいですねえ」


「い、いえ・・まだ彼氏じゃないんですけどね・・・」

「あら。じゃこれから勝負ですね。頑張って」

応援されてしまった。


またも超ご機嫌で店の外に出たら、先輩が知らない女の人と話してる。

誰?気になる・・・


あ、離れていったけど、先輩またあの辛そうな顔してる。。。



「お久しぶりです。あの時以来ですね」

「その後元気してる?」


「ええ、なんとか立ち直りました」

「彼女とかできた?」


「いいえ、もうその辺はいいかなと。辛い目したくないし、させたくもないですから」

「引っ張るのはわかるし、忘れろとは言わないけど、次に行くのも大事よ」


「あの時はご迷惑をかけまして」

「いいのよ、また機会あったら寄ってちょうだい。じゃ、私は行くね」


「ありがとうございます」

僕は頭を下げた。



「先輩、お待たせしました!」

「はい、それも持つよ」


先輩はいま買ってきた大きな袋を受け取り手に持った。


「いま話されてた方はどちらさんですか?」

「このショッピングモールのアクセサリーショップの店長さんだよ」



え、なんで先輩がそんなお店の店長さんと知り合いなの!?

「さて次はどこいくんだい」


さらっと流すつもりですか。いいでしょう。そのアクセサリーショップに行きましょう!

「アクセサリーショップ行きましょう!」


「今わざと言ったろ?そいうことなら帰るよ」

いつもの優しい口調ではなく、怒気の含んだ言葉だった。


普段とは違う口調にびっくりして、


「ごめんなさい」

私は素直に謝った。


先輩は、あっしまったという顔を一瞬見せて、

「いや、きつい言い方になってたな。こっちこそごめん。あそこには行きたくないんだ。もし行くなら1人で頼むよ」

あの辛そうな顔をさせてしまった・・・


「わかりました。先輩すいませんでした。それはそうと、そろそろお昼ごはんにしませんか。11時半になりますし、12時過ぎると混みますから」


「もうそんな時間か、じゃそうしようか」



今日の予定は一旦昼ご飯で中断し、午後からまた買い物に付き合うことになった。




後程細かく修正変更いたします。

感想など頂けたら嬉しいです。

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― 新着の感想 ―
[良い点] ヒロインが一目惚れするという点が珍しくていいと思った。 主人公視点とヒロイン視点があるのもいいと思った。 全体的に読んでて、楽しかったです!! [気になる点] 絵がないからだけど、主人公…
[一言] おー、タイトルが変わっていた……。
2020/11/16 22:27 退会済み
管理
[良い点] 完全に後輩ちゃんのペースである。 20:80 ですかね? [気になる点] 先輩のHPの残量
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