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旦那様は魔王様!  作者: 狭山ひびき
旦那様は魔王様
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エピローグ

お気に入り登録、評価などありがとうございます!

これにて完結となります!


また、本日から新作「婚約者に「あなたは将来浮気をしてわたしを捨てるから別れてください」と言ってみた」

https://ncode.syosetu.com/n5057ic/

をアップしておりますので、もしよろしければこちらもよろしくお願いいたします!


 光に透ける純白のドレスの裾がふわっと広がる。

 少し大人になった沙良は、シヴァの腕の中でくすくすと楽しそうに笑っていた。

 精緻な彫刻とステンドグラスが美しい荘厳な建物の中。シヴァとともに祭壇の前に立つ。


 ――汝……


 祭壇を挟んで反対側に立つ男が口を開いたその時――、沙良は、ぱちりと目を覚ました。




「夢……?」


 目を覚ますと、あたりはまだ真っ暗だった。

 隣では、シヴァが静かな寝息を立てている。


(なぁんだ……、夢かぁ……)


 今日、シヴァに祭壇の前でプロポーズされてキスをされた。一日中、雲の上を歩いているかのようにふわふわしている気分で、気がつけば夜になっていて、シヴァの部屋で、沙良はこうして一緒に眠りについた。

 きっと、嬉しくてうれしくて――、待ちきれなくて、夢にまで見てしまったのだろう。

 夢の内容ははっきりと覚えていないが、結婚式をあげる夢だった気がする。すごう幸せな夢。早くその時が来ればいいのにと、今日プロポーズされたばかりなのに待ち遠しくて仕方がない。


(結婚式……。シヴァ様の……、お嫁さん)


 正確にはすでに嫁扱いになっているのだが、やはり結婚式をしないと「お嫁さん」感がない。


(どうしよう……、眠れなくなっちゃった……)


 興奮しすぎて眠気が吹き飛んでしまった沙良は、ベッドの中でむーっと眉を寄せた。

 ごそごそしすぎてシヴァを起こしてしまうわけにもいかないが、このまま眠れないままじっとしておくのも、なかなか苦痛だ。

 沙良は目を閉じて、無理やり眠りにつこうとがんばった。


(羊が一匹ぃ、羊が二匹ぃ、羊が三匹ぃ……)


 そうして、羊を五十九匹まで数えてみたが、全然眠くならない。


(眠れない、眠れないよぅーっ)


 沙良はちらりと隣で眠るシヴァを見やった。


「……、起こさなければ、いいよね?」


 沙良はシヴァにぴたっとくっついてみる。体温が伝わってきて安心する。

 シヴァにくっついていれば眠れるかもしれない――、沙良がそう思って目を閉じたとき。


「……沙良?」


 シヴァの声がして、沙良はしゅんとした。


「シヴァ様……、ごめんなさい、起こしちゃいました?」

「いや……、どうした、眠れないのか?」


 シヴァが横向きになって、沙良の髪を梳くように頭を撫でる。


「目が覚めちゃって……」

「そうか。それなら……」


 シヴァは沙良を腕の中に抱き込むと、ぽんぽんと背中を叩いた。


「こうしていれば、眠くならないか?」


 まるで子供のような扱いだが、確かに、規則正しく背中を叩かれていると、だんだんと瞼が重くなる。

 沙良がうとうとしはじめると、シヴァは沙良を腕に抱き込んだまま目を閉じる。


「……おやすみ」


 シヴァの優しいささやきを聞きながら、沙良が再び見た夢は、純白のドレス姿でシヴァにキスをされる、幸せな夢だった――







お読みいただきありがとうございます!

これにて本作は完結となります。

ながらくお付き合いいただきまして、ありがとうございました!


少しでも面白いと思っていただけたら嬉しいです。

また以下の☆☆☆☆☆にて評価いただけますと励みになります!


仕事が落ち着きましたらまた新作をあげようと思っていますので、よろしければお付き合いいただけますと幸いです。

どうぞ、よろしくお願いいたします。



~~~~~~

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(マシュマロについては、ツイッター(@hibikisayama)に定期的に募集ツイートをあげております。こちらにいただいた感想の中にご質問等があれば、後日ツイッター経由でご回答することがございますので、ご了承ください。ご質問がなければそのまま楽しく拝見させていただいております)

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