表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
生きてる価値を探す日々  作者: 湯川田 美央
生きることって辛い
9/86

2週間

 あの一文を送り、原田をブロックしてから二週間が経った。


「佐々木さん、原田様からお電話です」


え、職場に電話かよ。何の用だろう。


「最近元気?」


「元気です」


「メール見てる?」


「みてないです」


「電話は? 気づいてる? 柚、どうして電話に出ないんだ」


「……」

 

「俺は柚のことが好きなんだ。忘れられないんだ」


「……」


「何か言ってくれよ」


「ごめんなさい。もうメールとか電話やめてほしいです。では、失礼します」


ガチャ。電話を切ってしまった。


原田はいつもと変わらず余裕な感じを出していたつもりだろう。


しかし、どこか焦りのある感じがした。

原田とはこれ以上話したくない。


取引がうまく行かなくなってもいいやと思った。最初からそうすれば良かった。


やっぱりこれは異常だもん。


普通、職場に電話ってするのかな?


この日を境に三日に一回電話がきた。


全て同じような内容。


ただただ怖かった。


私は勇気を出して、社長に相談した。


「実は……」


原田から、仕事とは関係のない電話やメールが来て、最近は職場にまで電話がくる事を話した。


ホテルや食事に行った事は、さすがに言えなかった。


「話してくれてありがとう。大変だったな。では、担当者を変えよう。担当者は、女性より男性がいいよね。この話は、ここだけの話にしておくから安心して。あと、電話はできるだけ出ないで。原田からの電話が来たら、俺に代わって。なんとかする」


こういう時、社長は頼りになるんだよな。話して良かった。


「なんか変わった事あったら、すぐ教えてな」


「ありがとうございます」


この職場には守ってくれる人がいる。私の上司が社長で良かった。



 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ