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通知

 晴人と無事に入籍をして、1ヶ月経った時のことだった。


いつものように、携帯のアラームが鳴り、眠い瞼を一生懸命開けてアラームを止める。


アラーム画面が閉じられると見たこともないような通知が大量にきていた。


「え、何これ」


 見ると、それはSNSからだった。知らない人たちからの大量のメッセージ。



「キモすぎ」


「不倫ってよくないんだよ。わかる?」


「奥さん、可愛そう」


「奪うとか酷すぎ」


「お前なんて、死ねばいいのに」


「待って待って、こんなに責めたら可愛そう」


「こんな汚い女なんて、生きてる必要ないな」


「殺しに行きましょうか」


「殺しは流石にまずいだろ」


「そーそ。犯罪」


「この女だって、犯罪犯しているぜ」


「たしかに」


「自分の都合だけで動く女」


「今までも自分の思うように人間を動かしてきたんだろうな」


「一発殴らせろ」


「暴力はよくないぞ」


「ただあなたに一言言いたい。死ね」


 言葉の雨に打たれた。一体何が起こっているんだろう。このスレッドの元を辿る。罵詈雑言が羅列されている。見たくない。だけど、発信元を辿らなければ。


大量のスレッドの根っこに辿りついた。あった。見つけた。名前は「名無しの女」


その人の固定されたツイートを見る。





「私の夫は、ある女に騙されました。


 その女は、私たちが結婚していたことを知っていたのに


 私の夫に近づきました。


 夫は騙され、お金まで奪われました。


 酷い話です。


 一応、その女のアカウント、ここに貼り付けておきます。」






 佐々木柚のアカウントがそこに貼り付けられていた。この固定されたツイートは、次々と拡散されていた。「名無しの女」多分、これは原田泰の妻だ。こんなことするのは、その女しか考えられない。


そのツイートを見る。確かに私は不倫をしてしまった。しかし、お金は奪ってない。事実とフィクションが混ざっている。


名前も顔も知らない相手から罵倒される。私のこと何も知らないくせに。怒りと恐怖が混じり合って、居ても立ってもいられなくなった。どうしよう。私、どうしたらいいの……


晴人に相談しようと思った。リビングに行くと、もう晴人は、仕事に出て行った後だった。晴人に電話するか。でも仕事中に電話は悪いよな。メッセージ送るか。そう思って携帯を開けると、すぐにまた罵詈雑言のメッセージの通知が次々ときていた。思わず、携帯の電源を切った。そして、携帯をベットの上に投げた。もう携帯を見たくない。怖い。


考えることは一回辞めて、毎朝のルーティンをしようと思った。歯磨きをして、トーストを焼いて、珈琲メーカーで珈琲を入れて、食べる。服も着替えなきゃ。


ルーティンが終わってしまった。次は何するか。


大好きな読書しよう。読書をすれば気が収まる。しかし、本を開いても内容が全然頭に入ってこない。


頭の中に、さっきの罵詈雑言が響く。

皆さん、こんにちは。作者の湯川田美央です。

いつもたくさんの応援メッセージ、ありがとうございます。

ついに、次回でラストになります。

ラストまで読んでいただけると嬉しいです。

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